阿膠(あきょう)を使った漢方薬

阿膠とは、ロバの皮を煮て作る膠(にかわ)のことで、漢方では女性の処方に特によく使われる生薬です。

昔、東阿県で作られた膠がとても良かったことから、「阿膠(あきょう)」と呼ばれるようになりました。

現在ではロバだけでなく牛などの皮も使われるようです。

主成分はコラーゲンで、アミノ酸も含まれ色々な作用を及ぼします。

生薬の阿膠の取り扱いについてはこちらから←

阿膠(ロゴ)

 

阿膠を使った漢方処方

阿膠は、"血を増やす作用"とともに、漏れ出すぎた血を止める"止血作用"もあるため、色々な処方に組み込まれています。

「血を増やす」効果が期待され処方に組み込まれた処方と言えば、婦宝当帰膠や、温経湯、弓帰膠艾湯などがあげられます。

 

婦宝当帰膠:貧血気味やそれに伴った肩こり、疲れといった症状に使います。一般的な冷え性にも使われます。

温経湯:腹部が冷えて血行循環の悪いときに使う処方です。生理痛がひどい場合にも使われます。

弓帰膠艾湯:不正出血によく使われる処方です。また生理出血が長く続く場合にも使われます。

 

「阿膠とはロバのニカワ、最近ではニカワの小片に熱を加えて白く膨らませた阿膠を使っていますが、本来は山東阿膠といって中国の山東省の東阿県から産するロバ、ラバ、ウシなどの皮膚を水で煮て作った膠です。細胞と細胞をくっつけている結合組織をたき出したものです。成分はコラーゲンというタンパク複合体であり、水と熱するとゼラチンになります。・・・(後略)

阪本漢方通信 第十二回漢方講座より

 

阿膠:ロバの毛を取り去った皮、またはその他の動物の皮、骨、腱などを煮て精製したもの。血液凝固作用。出血、吐血、下血、月経不順、於血症などに効果 週刊朝日漢方2005 P140より

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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