膝が痛いときの生薬:ヒマシ、トウゴマ

「膝が痛いんですけど、この生薬有りませんか?」時々、こんなお問い合わせがあります。民間薬として浮腫の改善に使われていた生薬が、トウゴマです。浮腫の改善、といっても服用はしません、足の裏に湿布のように張り付けます。もちろん、全身の浮腫に効くわけではなく、腹水、腹膜炎や足の浮腫などが多く、顔や手などの浮腫には使いません。

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蓖麻子(ヒマシ)、唐胡麻(トウゴマ)

ヒマシ、トウゴマ、どちらも同じ種子を指します。このトウゴマを絞った油をヒマシ油(ヒマ油)といいます。ミシンや工業用の潤滑剤として、また一部の下剤として用いられていました。

トウゴマ

トウゴマは1cm前後の種子です。緑色はパッケージの印刷の色です。

トウゴマ・彼岸花根の使い方

  1. [用意] 彼岸花根を1つとトウゴマ20個ぐらいが目安です。彼岸花根はこれぐらいが目安ですが、小さいようなら2つ使ってください。おろし金とすり鉢を用意します。これは新しいおろし金とすり鉢を用意して、食用と共用しないようマジックで印をつけましょう。手に傷がないことをチェック。もし心配ならビニールの手袋を着けます。
  2. トウゴマ、彼岸根の殻を剥きます。トウゴマはペンチを使えば楽です。彼岸根は金槌で軽く一撃してから剥くと剥きやすいです。適当でいいです。
  3. トウゴマと彼岸花根をすり鉢に入れてゴリゴリと混ぜます。彼岸花根が大きいようなら先にすり下ろしておいた方が早く出来ます。粘りが出て、トロトロになりますので、それで完了。
  4. 就寝前に足に張ります。足に傷がないかチェック。薬局で売っているガーゼにべっとりとつけて「土踏まず」に張り付けます。上からビニール袋で覆うといいでしょう。残ったトウゴマと彼岸根のすり下ろし汁は、破棄した方が誤用の恐れもなくいいと思います。
  5. 翌朝にはがして、足を綺麗に洗います。2~3日に1回程度、多くやり過ぎると足裏がかぶれて痛くなります。途中でもピリピリという痒み・痛みが出たら中止してください。

※ 地域により使用量などが若干の変化がありますのでご了承ください。トウゴマ30~50粒・彼岸花根1~2個をすり潰して両足裏一面に貼ると効果があれば10時間後には二便(小便や大便)が出る。これを毎日2回ずつで4~5日続ける。1週間ほどで効果がなければ中止する。と書かれたものも有りました。

※ 毒性がありますので「食用しない、使用食器と共用しない、分けて保存する」ようにしてください。

※ 足の痛みに使用されて効果がない場合、これは血行循環を改善する別の漢方薬などが良い場合もあります。ご相談下さい。

彼岸根

※お電話やお問い合わせフォームにて在庫確認のうえ、ご来店ください。

[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ bordercolor=”” borderwidth=”” iconsize=””]皮膚の弱い方、トウゴマ・彼岸花根の湿布をしてピリピリや痒みが強い場合はすぐに使用を中止してください。かぶれが酷い場合は皮膚科を受診をするようにしてください。[/st-cmemo]

※生薬相場が値上がり傾向です。500g単位で各2200円~3000円(税抜き)になっております。詳細につきましてはお問い合わせください。(2014年追記)

参考文献:民間薬の実際知識 東洋経済

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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