女性側の体調を改善すれば産後クライシスも無くなる!

第二子不妊の相談で、ご夫婦でSexをしても、中折れや勃起不全になってしまう(射精障害etc)、という悩みを、されることがあります。

男性が一人でする場合、これは問題なく射精できるらしいんです。ただ、奥様と頑張ろうと思うと、なかなか上手くいかない。

「若いときは大丈夫だった」「去年まで大丈夫だったのに」ご主人様も焦ってしまって。病院で、バイアグラなどの処方を受けて頑張ってみたら逆に動悸がでて怖くなった、という何ともいえない話もあります。

 

なぜこうなるのか。「出産を機に夫婦の関係は変化する」との話を不妊症の講演会で聞いたことがあります。子供が出来ると、脳内でカチッとスイッチが切り替わるんですね。恋人という関係から、子供を挟んでの家族・同居人という関係に。

もちろん、パートナーを嫌いになったというわけではなく、家族仲はいいんです。ただ、役割が変わる。そうなると、パートナーを恋愛対象としてよりも、家族の中での気恥ずかしさ、というものが全面に出てしまい、中折れしてしまう

この場合、心理的な改善と、漢方を補ったという例があります。一番最後に書きますが、もうひとつ別の例で。

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女性側の体調を改善すれば産後クライシスも無くなる!

東洋経済オンラインに「日本人を襲う「産後クライシス」の衝撃」という記事が掲載されていました。この記事での話は、夫婦関係が「伴侶」という役割になればいいのですが、愛情が下がり「お荷物」というレベルになるそうです。これも、関係の変化という所ですが、悲惨です。

子どもが生まれる前の妊娠期を見てみると、男女それぞれ75%ほど(4人に3人)が「本当に(相手を)愛していると実感」すると答えています。ところがそんな愛情が子どもが2歳になった頃には、驚くほど落ち込みます。特に妻の落ち込みは激しくその割合はわずか2年で3人に1人までに半減しています。これは夫たちにとっては、かなりきついデータです。

この記事では、関係性が悪くなるのは0~2歳まで、とのことですが。

よく考えてみると、産後の2年間は、女性も育児、産後の体調の回復、お姑さんとの関係、新しい環境(育児でママ友が増えたり)でのストレス、で、すさまじく余裕が無くなる頃ですから、漢方的には女性の体調を改善してあげると違うかな、と思います。
産後の体調変化・トラブルについてはこちらのカテゴリで書いています。

 

話を戻しますが、こういった症例もありました。

39歳男性。第二子不妊。ご夫婦でSexをしようと思うと勃起はするが、射精まで行かない(中折れ)。仕事が立て込んでおり帰宅時間が遅い。仕事のことが頭をグルグル取り巻いていてよく眠ることが出来ない。夢をよく見る、尿が近く、最近では体が火照りもあり。ただ、冷えるようにも感じる。朝起きてもスッキリとしない、仕事に集中できない、口渇があり。

この方の場合は、仕事やストレスで脳の興奮状態が続き、脳も疲労している状態です。仕事がもう手に付かない、帰ってもやらないと行けない、と思ってしまっても何から手をつけていいのか、能率が悪いので困っている。とのことでした。

車で言えば、オーバーヒートしたような状態。過労で熱を出している状態ですね。ほっておくと徐々に熱も冷めてくるのですが、また頑張るから熱が出る。

興奮を冷ますような処方、こういった処方は漢方薬には色々とあります。このときは、白虎加人参湯を少し加減したような処方と、能活精(時折、牛黄清心丸)をお渡ししたところ、2週間ぐらいして「よく眠れるようになった」とお電話がありました。ただ、ストレスも多いのか、中止すると火照りが出てしまう、服用すると改善するということで、体の冷却水と考えてもらって、現在も継続服用中です。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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