子宮内膜症は怖くない!?
子宮内膜症は、子宮内部にある「子宮内膜」が子宮以外の場所で増殖する症状です。元は子宮内膜ですから、ホルモンに影響されて出血を起こそうとします。ただ、うまくいかないために、炎症や痛みなどを起こしてしまいます。「えっ?怖い病気?すぐに手術しないと?」と不安になる必要はありません。女性では10人に1人は子宮内膜の症状があるといわれ、経過観察だけで問題が無い場合も多いです。
子宮内膜症の症状として、寝込んでしまうような月経痛や性交痛を訴える方もおられます。こういった症状は漢方でかなり改善する可能性があります。「いや、生理痛がないから大丈夫」と思いがちですが、「妊娠」を希望している場合は、一度検査を受けるようにお話しをしています。子宮内膜症は痛みの大きさと症状の重さが比例していません。
子宮内膜症はひとまず「痛み止め」だけで様子を見ることが多いです。ただ、漢方はより体質を改善することを考えました。漢方では子宮内膜症を「瘀血(おけつ)」という概念で考えています。瘀血とは血が滞り動かない概念でとくに中心部の太い血流よりも末梢部の血行循環を重視しています。女性は、生理、妊娠、出産、授乳、そして閉経など。男性以上に血と関係が深いために「血」にかかわる症状は多く、色々な処方が生まれました。
瘀血と子宮内膜症
瘀血は血流の悪さと考えると判りやすいです。例えば、「生理痛で痛み、月経血が黒ずみ、さわると何かがあるように膨らんでいる」のは、典型的な瘀血の症状です。瘀血はそれら以外にも、肩こりや頭痛、動脈瘤や動悸などの症状、目の下のクマやシミなど、色々な症状が瘀血で説明されています。同じように、子宮内膜症、子宮筋腫など、瘀血の症状と考えて処方を検討します。
漢方での改善方法
漢方薬では古来より血行循環を改善する植物が多く発見され使われてきました。ドラッグストアではバファリン・イブなどが売れていますが、鎮痛剤は、痛みの物質を止める作用、根本解決になりません。鎮痛剤に頼らなくても生理痛、子宮内膜症は十分治ります。(もちろん、併用することもあります)
子宮内膜症にはこんな処方を使います
処方名 | |
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血行循環を改善する ベースの 漢方薬 |
弓帰調血飲第一加減、冠元顆粒、 |
冷えて痛む場合 | +温経湯:子宮を暖める漢方薬をプラス |
出血量が多い | +田七人参: 血を巡らせながら止血をする生薬 |
動悸や不眠、不安感あり | +婦宝当帰膠、十全大補湯、四物湯 |
血行をよくするサプリメント | +紫ウコン(莪朮)、+爽月宝 |
上記はあくまで一例です。
生理のトラブルは体のトラブルに直結
生理だけでなく、血液の流れが滞ったり粘ったりすると、栄養分や酸素が運ばれなくなります。さらに、酸欠状態は、成人病、動脈硬化、脳塞栓を引き起こす原因になります。 漢方家族では子宮内膜症の痛みや生理の痛みに漢方薬をお勧めしております。
生理期の貧血やイライラ(PMS)なども漢方薬と生活習慣の改善で楽になります。痛みは相手に伝えることができないためについつい我慢してしまいがちです。毎月一度の憂鬱な期間と早めに手を切ることは可能です。楽しい生活をお過ごしください。
一般的な料金の目安について
血行循環を良くするような2~3種類の漢方薬を併用することになりますので、1ヶ月当たり一万五千円~二万五千円程度になります。妊娠をご希望の場合は併せて、赤ちゃんのご相談も承りますので、必ずお伝えください。その他の症状によって金額は変わります。