要約:この記事では、頭痛に効果的な漢方薬について説明しています。頭痛の原因や症状に応じて、体質や状態に合った漢方薬を選ぶことが重要です。外感頭痛・内傷頭痛にわけて考え、例えば「呉茱萸湯」や「川芎茶調散」などの処方が紹介されており、どのようなタイプの頭痛に対応するかが詳述されています。
頭が痛い・・・そんなときにドラッグストアに行くと鎮痛剤を勧められます。ロキソニンS・イブA・ナロンなど棚には色々なお薬が並んでいますが、成分を見てみるとほぼ9割近くはNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)です。
当薬局には頭痛を治してほしいというよりも、頭痛の西洋薬を連用したくない、鎮痛剤ばっかりを服用するのは不安、といったご相談が多いです。漢方の場合は、頭痛と一言でいっても体質や原因ごとに色々な処方が使われます。対処療法だけでなく、原因も治していこうという方針です。使われる頭痛の処方を紹介します。
下の表を見てください。一番左の列、外感とは外からの影響(ウイルス・季節の寒さ暑さ)です。外感の寒証、つまり「ゾクゾクの風邪」ですし、こういった頭痛+αの症状からは「葛根湯」がよく効きます。
内傷とは体の内側の原因。具体的な病名では高血圧・高脂血症・内分泌異常など。内傷は実証と虚証とを分けて考えると分かり易いです。
外感 | 寒証 | ゾクゾク寒い、首筋の凝り 手や肩の痛み、鼻づまり ※風邪の症状 | 葛根湯 桂枝湯 |
外感 | 寒証・中間 | 軽度の寒気、虚弱体質 締め付けられるような軽い頭痛 | 桂枝湯 頂調顆粒 川芎茶調散 |
外感 | 天候で悪化 【湿】 | 雨が降る前に悪化する 頭が重く締め付けられる感じ 口渇・悪心・浮腫傾向 小便が出にくい | 五苓散 呉茱萸湯 寒冷で増悪) |
外感/内傷 | 中間 | 頂調顆粒 川芎茶調散 | |
内傷 | 実証 | 高血圧・便秘・赤ら顔・逆上せ 火照り・不安感/煩燥あり | 三黄瀉心湯 七物降下湯 黄連湯 |
内傷 | 実証 | カッカッくる(肝鬱) | 大柴胡湯 |
内傷 | 中間 | グルグルと同じ事を考える クヨクヨと悩む(肝鬱) | 加味逍遙散 |
内傷 | 虚証 | 頭が重い、冷え、眠い、倦怠感 | 半夏白朮天麻湯 |
内傷 | 虚証 | 慢性的に続く頭痛、めまい、耳鳴り 肩凝り、高血圧、頭痛が午前中に悪化 | 釣藤散 |
頭痛には食間を待たずその場で服用することが多いです。分け方ですが、かなりざっくりと・・・分けています。先生によっては、もっと詳しくとかこれは違うだろうという突っ込みはありますが、、、こんな処方も使うんだなぁという表です。