関節の痛みと皮膚の痒みに漢方を使った話
70代女性、膝・関節の痛みで来局。朝起きると足が攣る感じでピクピクする。動き始めがギシギシと動きにくく辛い。皮膚の痒みがあり夏の間に湿疹が出やすい。ビタミン剤などが処方されているが、なんとも改善しない。どうしても痛い場合はブロック注射をしようかとDrからは言われている。
痛みで困っている方は多いです。当薬局は”整形外科、リハビリ、整骨院に通っている方も多い地域”なのですが(整骨院は近所に7件ぐらい営業されています)、ご高齢になって「朝起きるときにギシギシと膝が辛い。動き始めるとまだなんとかなるのですが。」というご相談が多いです。
漢方ではこうした悩みを「痺証(ひしょう)」と呼びます。この痺という文字「痺れる(しびれる)、麻痺する、(リウマチ)」という意味があります。関節の痛みは老化と共に起りやすく「虚」が多いです。痛みはそれほどでもないのですが、”だるかったり””動きにくかったり”します。
「虚証」のなかでも良くあるのは冬に冷えてギシギシ痛い「寒湿痺」タイプ。これは雨の日が続くと辛くなったりしますね。重だるいとか動きにくいとか表現されます。さらに、全身の倦怠などが強く気血が不足した「気血両虚」タイプもあります。「リハビリをしてその日はいいんだけどまたすぐに戻るんだよー」という方は、全体的に体が虚しているため、元に戻っちゃうんです。
激しい痛みは逆に「実」のタイプ。関節などが腫れたり浮腫が酷くなったり熱感があったりの「湿熱」タイプと、さらに病気が慢性化して気血の流れが悪くなった「気血瘀滞」タイプがあります。
上記の70代女性ですが、虚証のタイプ。寒湿痺とまではいえないですが、やや補ってあげたいので処方としては「独歩顆粒、イーパオ、ササヘルス」をお勧めしました。独歩顆粒は別のページに解説していますので参考にしてもらいたいのですが、イーパオ。意外といいです。
イーパオって?
店頭でお話をしていて『イーパオは蟻を使った処方です』というと「蟻ですか!」「蟻ってそこら中にいるしなぁ・・・!」という答えが返ってきます(^-^;;;;;
アリといっても、世界では数千種類もいますので、どれでもOKというわけではありません。薬用として流通している蟻は数種類、イーパオでは擬黒多刺蟻(Polyrhachis Vicina Roger:鼎突多刺蟻)という黒アリの種類が使われています。この蟻は地面に穴を掘らず、藁などで巣を作り、薬膳にも使われています。(そのあたりの蟻を捕まえて食べても何もなりませんので注意しましょう)
「亜鉛が効いてるんじゃない?」とネットの掲示板に書かれていましたが、個人的にはその他のミネラル成分も大切なのかと思っています。実際、DHCの亜鉛カプセルを服用してた方に、イーパオに変更してもらったところ改善したという例もあります。(もちろん、DHCの亜鉛カプセルもいい製品ですよ!)
イーパオのリニューアル
2016年にリニューアルしパッケージ変更もしました。今回はパッケージが変更されて「白→赤く」なっています。成分の変更も有ります「南五加皮エキス末→甘葛藤エキス末」に変更されました。
私も最近ちょこちょこと服用していますが、味はほぼ変わっていませんので、前と同じように服用できるかも。
リニューアルのイーパオ成分比較
※製品パッケージには「新々イーパオ」との表記ではなく「イーパオ」のみの表記です。
※一粒あたりの重量は変わっていますが、主要成分の内容量は変わっていないらしいです。
イーパオの歴史
1998/4~2011/12 | イーパオ新発売。三角形のイーパオで、食用蟻・ハトムギ・葛の処方。 |
2011/12~2016/5 | 新イーパオにリニューアル。剤型が円形に変更。食用蟻、南五加皮・ハトムギの処方になる。蟻の量が約1.5倍になる。旧(新イーパオはこちら) |
2016/05~ | 新々イーパオにリニューアル。剤型などはそのまま。南五加皮を削除し甘葛藤を追加。甘葛藤・ハトムギは当初の約1.5倍になる。 |
痺証の漢方や精力の漢方には動物生薬がよく併用されます。
商品名 | 新々イーパオ |
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ジャンル | 健康食品 |
内容量 | 210粒/瓶 630粒/袋 |
商品単価 | 210粒入り 8150円(税抜き) 630粒入り 18500円(税抜き) |
ポイント | ミネラル不足の方へ |
販売元 | イスクラ産業株式会社 |
摂取方法など | 1日辺り9~15粒を目安に服用してください |
この商品は店頭のみの販売になります