漢方薬を患者さんのご要望で一包化することがあります。飲み忘れないようにだったり、量の加減によるものだったり理由は色々ですが「湿気てしまう」という連絡があったので調べてみました。
当薬局では、一包にする場合は2週間程度を目安にして、最長で1ヶ月程度にしています。漢方薬は処方によっては吸湿性が酷くて、すぐに固まるものもあります。実験は6月に薬局内(温度は26~28度、湿度は40~60前後)で行ないました。
使った漢方薬は「よく固まるなぁ」と(個人的に)思っている柴胡疎肝湯(松浦)。通常量で分包(1包あたり2g)し、タッパーに入れて乾燥剤(シリカゲル)を少々入れました。漢方薬の分包を保存する場合は出来るだけ「タッパー」に入れて密封保存するようにお願いしています。
当薬局の分包紙はグラシンを使っています。分包紙はグラシンとセロポリの2種類があって、セロポリは透明。透明なので調剤後の確認作業をしやすいため、処方箋の調剤薬局でよく使われています。グラシンは白色で若干湿気やすいです。ただ、1ヶ月以内で飲みきる場合はそれほど問題になりません(というのを調べるのが、今回の実験の趣旨です)。(1日3回の服用のつもりで)1日3回タッパーの開閉を繰り返していたところ、3週間目でちょっと中の漢方の粉がモロモロに。
ただ、触れば元に戻るぐらいの、ちょっと湿気た感じです。だいたい1ヶ月分ぐらいまでしか分包してお渡ししないので、柴胡疎肝湯の場合は、湿気も問題が無いかなという結論にしました。他の処方でも順次試していきたいと思います。