響声破笛丸(きょうせいはてきがん)は声がれや喉の痛みに使う処方です。声優、司会業、歌手、カラオケバーのママさん、など声を使う方にご愛飲いただいている処方です。
響声破笛丸の効能効果
効能効果を見てみましょう。
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しわがれ声,咽喉不快
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すごく「声!」に効果のあるような効能効果ですね。使いすぎで声帯・喉が腫れたような、炎症のあるようなときによく使います。また、風邪の後で声がかすれた感じにも使います。
逆に、乾燥感でエホエホしているときは別の処方を組み合わせた方がいいですし、風邪の初期や風邪を引いている時はあえて響声破笛丸を使わず別の処方を使うといいでしょう。声がおかしくなって長期で状況が固まった場合、これは声帯の問題ですから響声破笛丸では治りません。今ちょうど起こっている違和感に使います。
なぜ「料」がついているの?
響声破笛丸は名前の通りもともと「丸剤」です。丸剤を顆粒(エキス剤)にすると名前の下に「料」がついて「響声破笛丸料=響声破笛丸のエキス剤」という意味になります。
少し昔の記事ですが、
中川が服用していたのは、エスエス製薬「エスタック漢方『響声破笛丸料』エキス顆粒」(以下、響声破笛丸)。だが、どうも生産中止になってしまったらしい。中川は、「ピンチのときやライブ前いつも、本当に声がよくでるようになる漢方だから超必須アイテムだったのに生産中止、まとめ買いしたのも残り一箱」と悲しみを示している。声優・ボーカル界に激震……? 薬の生産中止に嘆く芸能人が続々
一番有名だったエスタックの響声破笛丸が廃版になるということで、twitterで騒ぎになっていました。芸能人も使っていたんですね・・・漢方としてもなかなかマイナーな処方なのですがよくご存じで、とびっくりしました。
その後、当薬局では取り扱っていませんが北日本製薬から同種の処方で発売されました。エスタックが廃版になる瞬間を狙うのはさすが商魂たくましい(いい意味で)。喉の処方はそれ以外にもありますので、比較してみました。
響声破笛丸:エスタック・北日本製薬と松浦漢方の違い
響声破笛丸は桔梗湯を基本骨格とした処方です。桔梗湯は桔梗と甘草の2種類を組み合わせた簡単な処方ですが、どちらも炎症を抑える成分を持つ切れ味の良い処方です。それに連翹や訶子など喉の通り・循環をよくする生薬を組み合わせたのが響声破笛丸。
上の図を見てもらうとわかりやすいのですが、エスタックや北日本製薬の響声破笛丸料には大黄が含まれています。エスタックはドラッグストアで販売することを想定していたのか、その他成分としてLメントールなどが含まれて、飲みやすくしています。
大黄は上に籠もった熱を取るという作用を期待されていますが、便通をよくする作用もありますので「軟便になってしまう」という方もおられます。
松浦製薬の響声破笛丸料は大黄が入っていないのでその点は有効ですが、昔から販売されている処方のため少し苦みがあります。
エスタック | 松浦 | エスタック | 松浦 | ||
---|---|---|---|---|---|
レンギョウ | 2.5g | 1.25g | キキョウ | 2.5g | 1.25g |
カンゾウ | 2.5g | 1.25g | ダイオウ | 1.0g | |
シュクシャ | 1.0g | 0.5g | センキュウ | 1.0g | 0.5g |
カシ | 1.0g | 0.5g | アセンヤク | 2.0g | 1.0g |
ハッカ | 4.0g | 2.0g |
成分を比較すると、
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エスタック(エスエス製薬) 1日7.5gあたり響声破笛丸料水製乾燥エキス3.5gを含有する。
松浦漢方 1日6.0gあたり響声破笛丸量水製エキス4.0gを含有する細粒剤。
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となっています。エスタックのほうが効きやすいのかというと、そうでもなく、各社製法(抽出率)が違ったりしますので、単純に使う生薬が多ければ効果が大きいとは限りません。ラーメンでも量が多ければ「美味しい」とは限りませんよね。
響声破笛丸と龍角散の違い
神薬といわれた龍角散。同じようなカテゴリの処方ですが、これも桔梗・甘草を基本骨格とした処方です。桔梗・甘草に杏仁・セネガを加えています。
ざっくりと考えると、喉の痛み・違和感に「咳を止める」処方を加えたのが龍角散です。響声破笛丸に咳はあまり関係ありません。ちなみに龍角散ダイレクトには阿仙薬が入って、やや響声破笛丸寄りになっています。
症例(口コミ)
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女性 20代、バンドマン 「ライブなので何か声が良くなる漢方はありませんか?」と来局。発熱は無し、咳などもなく乾燥感だけがある。練習で歌を歌いすぎ、また乾燥の季節もあってイガイガして声が詰まる気がする。
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声は枯れる・違和感があるとのご相談でした。風邪でもなさそうなので声の出し過ぎなんでしょう。時々、スナックのママさんも同じような悩みでご来店いただきます。響声破笛丸料、響聲白龍散、○○○○○を渡しました。飲み方とかを話ししていたのですが、後日、なんとか歌いきることが出来ました!とご連絡をいただきました。
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響声破笛丸は単体で使うよりも、もう少し体質を見て別の処方と組み合わせることが多いです。
響声破笛丸の飲み方
響声破笛丸料の飲み方ですが、1日3回(食間)で10日分2000円ちょっとです。当薬局でお勧めすることが多いタイプは「仕事上声ガレしやすいカラオケバーのママさん」、バーのママさんには麦味参顆粒と併せて「営業日は毎日服用して下さい」とお話ししています。
響声破笛丸料は連翹・桔梗などの生薬で声ガレなどに使う処方です、ただ喉の潤いを増やす生薬が少ないので毎日ノド・体力を使う方には麦味参顆粒・麦門冬湯などを併用しています。