なかなか不妊相談に行けない、という方のために「生理痛」でのセルフチェックを。不妊治療には生理痛(月経痛)の状態も大切なヒントになります。生理痛はみんな同じ・・・かといえば、そうではなく、それに付随した症状があり、そこを見極めることで体質がよくわかります。
漢方で考える生理痛とは?
生理痛は血の動きか滞った状態の「瘀血(おけつ)」が原因と考えられます。瘀血を改善することと一緒に、それになった原因、付随する原因をさらに4つに分けて検討します。
- 血寒血瘀 (けっかんけつお)
- 気滞血瘀 (きたいけつお)
- 気血両虚血瘀 (きけつりょうきょけつお)
- 血熱血瘀 (けつねつけつお)
血寒血瘀とは、お腹や腰回りの冷えによって悪化する生理痛のこと。身体を温めると楽になるタイプです。
気滞血瘀とは、ストレスが溜まって悪化する、生理前に胸やお腹が張るなど、気の流れが滞って悪化するタイプです。
気血両虚血瘀とは、栄養が足りず血が滞る、例えばすぐに眠くなる、疲れているなどのタイプです。
血熱血瘀とは、食生活が辛いものが多かったり、アルコールを取りすぎたり。生理前には寝付きが悪いなど交感神経が興奮しがちなタイプです。
それぞれのタイプ、もちろん複合していることがありますが、それらを改善する様に処方を決めていきます。例えば、血寒血瘀なら温める処方の参茸補血丸、海馬補腎丸など。気滞血瘀なら加味逍遥散、柴胡疎肝散、香蘇散を使うこともあります。気血両虚血瘀なら、十全大補湯、麦味参顆粒、帰脾湯など、血熱血瘀なら清営顆粒、防風通聖散、白虎加人参湯などを使うことも。これらに併用して、瘀血を改善する処方、冠元顆粒・血府逐瘀丸・桂枝茯苓丸などを検討します。
中医学では「女性の先天は血である」と言われています。血を補い全身に巡らせることが大切。今回は「瘀血(血の滞り)」という観点からお話しをしましたが、その材料になる血が不足する場合は、血虚を考えて婦宝当帰膠という処方を検討していきます。