健康な人ってナニ?血圧はちょっと高くても問題ない?

「家では血圧に問題がないのに、病院で血圧を測ると高いんです・・・」とご相談に来られたご高齢の方、おられました。この方は、時々来店して頂くのですが、あるとき、病院の薬が必要以上に効いてしまって、血圧が低下したため、ふらつきがでていました

対策として、お家で毎日測定してもらって、その数値を再診時に見せるように指導しまして。結局、不必要と思われる降圧剤を休止すると、すっかりとふらつきは改善しました。(いまでは冠元顆粒を服用して調子が良くなっています。)

それからしばらくして、高血圧の記事を読んでいて色々と考えたのでメモ。参考にしたサイトは頁の一番最後に書いていますので、ご覧ください。

まとめ:
血圧のガイドラインが2014年版に:高血圧の診断基準(と治療目標)は140/90mmHgに。
一方、日本人間ドック学会では健康な人を集計した基準値は147/94mmHg以下であった。
健康と判定される範囲は広くなる傾向で、LDLや男性の中性脂肪、γ−GTPは違っていた。
※参考記事は頁末に添付

血圧のガイドラインは日本高血圧学会が出しているものが有名です。薬剤師会の雑誌などもこれを基準にしているのですが、2014年版(JSH2014)に改訂されます。

「血圧の目標値」は絶対的な基準ではなく、思ったより曖昧です。過去からずーっと一緒、ではなく、数年ごとのレベルで改定されています。私が学生の頃は「収縮期でも130を超えると!」と言われていますが、いまでは新しい学説、調査報告によって変わり今後も変っていくことでしょう。

気になった記事と言えば、日本人間ドック学会が健康と思われる人の統計を取ったところ、血圧や中性脂肪が少しぐらい高くても健康に過ごしている人が多かったというところで、他の糖尿病などの合併症があるならばまだしも、軽度の高血圧だけなら、血圧に一喜一憂して降圧剤を服用するよりも、生活習慣に気をつけて運動しつつ過ごす方が「元気に長生き」できるような気がします。

以降参考記事:

新しい高血圧治療ガイドラインであるJSH2014案で注目される点として、(1)家庭血圧をより重視するようになった、(2)降圧目標を一部変更した、(3)第一選択薬からβ遮断薬を除外した、(4)糖尿病合併患者の降圧目標を据え置いた、(5)脳血管障害合併患者、慢性腎臓病(CKD)合併患者での扱いを分かりやすく整理した─ことなどが挙げられる。JSH2014のポイントは? JSH2014の参考→日本高血圧学会

人間ドック受診者の正常・異常を判別する指標である血液検査の基準範囲について、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会(健保連)は4日、新たな基準範囲を作成したと発表した。これまでの基準と変わらない項目もあったが、おおむね健康と判定される範囲が広くなる傾向となり、とりわけLDL(悪玉)コレステロールや男性の中性脂肪、アルコールによる肝障害の指標になるγ(ガンマ)−GTPは大幅に変わった。例えば、血液1デシリットル中のLDLコレステロールは、従来の「60〜119ミリグラム」から、「男性72〜178、女性(45〜64歳)73〜183」となった。人間ドック:血液検査で新基準 健康範囲が拡大[毎日新聞]

日本人間ドック学会の専門委員会が、受診者約150万人のうちの一定の病気にかかっておらず健康な約1万人のデータから、検査値の範囲を算定。収縮期血圧は129以下、拡張期は84以下とされた数値は、収縮期147以下、拡張期94以下となった。「健康」は血圧147まで 人間ドックの検査値で学会など[日本経済新聞]

新たな基準値では、150未満が良いとされてきた男性の中性脂肪は198以下に。120未満が良いとされてきた悪玉コレステロールは、男性178以下、女性は年齢を3段階に分け、高齢女性で190以下となった。糖尿病など病気を持つ人には適用されない。「新たな基準値で将来的に健康を維持できるかについてはさらに検討が必要」(渡辺氏)男性の中性脂肪、高くても「健康」 人間ドック学会など新基準値公表[産経新聞]

 新基準値の報道をめぐっては、2学会が次のような見解を発表している。
 日本高血圧学会「高血圧の判定基準は140/90以上。血圧が高くなるほど脳卒中や心筋梗塞などの罹患(りかん)リスクや死亡リスクが高くなり、高血圧を治療することで心血管病の発症は減ることが確認されている」
 日本動脈硬化学会「高LDL(悪玉)コレステロール血症の診断基準値140以上などの設定は、ただちに薬物治療が必要なことを意味しているわけではなく、生活習慣の改善が必要な数値」予防医学の視点で判断を 人間ドック学会の「基準値緩和」報道

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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