琥珀とは、松脂(マツヤニ)などの樹脂が長期間に地層に埋没した化石です。世界各地で採れますし、日本では東北地方の久慈で採れていたようです。昔は金貨と同じように珍重されましたし、今は特に虫などが封入された琥珀にアクセサリーとしての人気があるようです。
そういった琥珀も漢方薬として使われることがあります。古典処方においては「重鎮安神の処方として」「主安五臓、定魂魄」との記載(千金翼方)があります。金属や鉱石などの質の重いモノは上に上がりすぎたものを下に降ろす、と考えられていました。
また、コハク酸、琥珀樹脂などと共に精油成分も入っています。その精油成分にも心を落ち着けるなどの効果があります。例えば、心を落ち着ける、琥珀が使われた処方としては、交感丸(香附子・茯苓・琥珀)という処方もあるぐらいです。
琥珀を使った処方:ミンハオ
日本で手に入る琥珀を使った製剤として、降圧丸という処方があります。
降圧丸:1日量として「レイヨウカク0.03gコハク0.15gトウキ0.30gジンコウ0.40gオウレン0.40gセンキュウ0.20gテンマ0.20gアキョウ0.33gジオウ0.15gカンゾウエキス0.33gダイオウ0.15g」
使い方としては、名前の通り降圧作用を期待しています。重鎮安神の琥珀も、高ぶった神経を押さえる目的で配合されたのでしょう。 より、重鎮安神の効果だけを狙ったものとしてミンハオがあり、15粒(1日分)で琥珀1gと多く含まれています。
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琥珀は、良い生薬ではあるのですが、製造に関して難点があります。吸収効率を良くするため微細末にすると静電気を帯びやすく、他のエキス剤と混ざらなくなります。粉砕時間が長いと、熱によってドロドロになります。逆に、粒子を大きくすると吸収効率が落ちます。
なかなか製剤化できにくいものでしたが、ミンハオでは特殊な技術により、数ミクロンまで微細にした上で製剤にしたとのことでした。