不妊の患者さんで、30代半ばの看護師さんがおられます。ある日、「婦宝当帰膠はホルモン剤と同じ働きですか?」という質問がありました。
その質問は・・・。Yes、であり、Noであり・・・。
婦宝当帰膠(原典になった当帰養血膠)の薬理研究の講演会では、
- 細胞のエネルギー代謝を高める
- 赤血球数、ヘモグロビン、赤芽球コロニー単位形成を増やす
- 胸腺のリンパ細胞、リンパ亜細胞の働きを強める。
- 子宮内膜平滑筋の緊張や収縮を弱める。
- 脳下垂体を刺激して、性器官の働きを高めエストロゲン、プロゲステロンを調整している
- 乳腺刺激ホルモンには影響を与えない
1998年婦宝当帰膠に関する薬理学的研究、同済医科大学薬学院 曾凡波教授(当時)講演より
というレポートがあります。
最後の2つ(ラインの引いているところ)は、特に不妊症などでお話ししている「ホルモンの調整」、乳腺刺激ホルモンに影響を与えない、ということは「婦宝当帰膠が不妊症に悪影響を及ぼさない」という意味です。ホルモンを調整するため、バランスが崩れ冷えがちだった体を温める働きもあります。
子宮内膜平滑筋の緊張や収縮を弱めるためか、生理痛が改善したという報告もあります。緊張がとれると血流量も増えて、内膜により栄養が運ばれるのでしょう。そして、薄くなった子宮内膜を改善し、質を良くして、着床を助けます。
またそれ以外の作用も、婦宝当帰膠の添付文書に書かれている、
更年期障害による以下の症状:頭痛、肩こり、貧血、腰痛、めまい、のぼせ、耳鳴り、生理不順、生理痛、冷え症
などに良い影響を及ぼします。
婦宝当帰膠など「漢方薬の良いところ」は、全身の状態を改善するところ。ホルモンを調整する働きもあるし、それ以外の働きもあります。ですので、先ほどの質問。
Yesであり、Noであり。、、、といったわけです。
当薬局で不妊のご相談は多いです。昨日も「妊娠しました!」のお電話を頂きました。その方も、婦宝当帰膠と参茸補血丸などを服用していました。
まず婦宝当帰膠を服用して体感したのは「生理痛」などが軽くなってきたこと。鎮痛剤が手放せなかったのが、楽になってきて。もちろん、基礎体温などもガタガタだったものが、少しずつ安定してきました。
漢方のご相談を頂いてだいたい1年ぐらい、妊娠(病院を受診して心拍が確認できた)とのことです。からだの歪みをしっかりと立て直す。それがまず、赤ちゃんにとって、大切なことかと考えています。