牛黄は、日本書紀が記載された頃より、高貴薬として存在していた生薬です。牛の胆石が原料で、開竅(かいきょう)作用を持ちます。 開竅とは、「竅を開く」という意味で、「竅」とは意識や脳血管などのつまり、塞がったものを意味すると考えてください。 発熱による熱性けいれんの予防や治療、脳血管障害の予防などにも使われています。
牛黄の体験
私の体験ですが、数年前、風邪を引いて熱を出しました。急に38.5度の熱が出て、節々が痛い、ふらつきもある。 嫌な予感がします。
「これはインフルエンザかな・・・」
病院に行って貰ってきた薬でも熱が下がらない。だんだんと、頭が痛くて冴えない、寒気も出てきた。これはちょっと悪い風邪にでも当たったかな、、、。 そんなときに、中国の先生に教えられて、牛黄を服用すると、頭が、急に靄が晴れたような感じですね、クリアーになったんです。
「これが牛黄の効果か」驚きました。
その後、いろいろな方にお勧めして、
- ストレスによる頭痛の方、
- 頭をよく使う人で、脳が動かない(思考がまとまらない)場合→特に受験前の煮詰まった時期に効果的
- 子供の高熱時(解熱剤との併用も)
に効果がありました。 韓流好きの方にお聞きしたのですが、牛黄は韓国ドラマにも出てくるらしいです。金色の玉(たぶん牛黄清心丸)を、噛むシーンがあるとか。
牛黄の違い
牛黄にも、天然の牛黄と、人工牛黄、培養牛黄などが存在します。人工牛黄は、牛の胆汁から人工的に合成し、天然に比べて安価です。 中国で安価に売られている牛黄清心丸などには、人工牛黄が使われている事が多いです。
「人工牛黄と天然牛黄に効果の違いはありますか?」
と電話でのお問い合わせも時々ありますが、全然違います。解熱剤として使うぐらいなら人工牛黄で良いでしょうが、開竅作用を期待するなら、、、天然の牛黄をおすすめしています。そもそも、ですが解熱剤としてつかうなら、西洋薬ならロキソニン・イブプロフェンという解熱剤を活用した方がいいですし、漢方なら地竜というよい生薬があり結構効きます。
牛黄価格は、産地などによっても違い、アルゼンチン、ブラジル、中国、オーストラリアと開きがあります。
牛黄の選び方
昔、漢方薬局では牛黄の玉を入手して、お客様の目の前で潰して、、、。ということが行われていましたが、製造管理や衛生上の問題で、行われる事が少なくなってきました。
メーカーが牛黄を潰して粉末状にしたものや、カプセルに入れたものその他生薬を加えて医薬品(牛黄清心丸など)にしたもの、があります。
同じ名前の牛黄清心丸でも、牛黄の含有量や、その他成分も違いますので、ご注意ください。 牛黄で効果を実感しようと思った場合、牛黄の量が、100mg~200mg以上/回をお勧めしています。(※ 単味の場合)