症状としては、排卵をしないため、月経不順(基礎体温は一相の場合が多い)、多毛などの男性化(多毛の方は、日本では余り見ないようです)と言われています。
病院での改善法
エストロゲン作用をもつクロミッドなどが使われます。
通常の排卵誘発と一緒で、
生理開始後5日目から5日間程度、50~150mg/日を投与します。
クロミッドを服用する事で、卵胞が成長して、複数個の排卵が起きやすくなります。
ただ、クロミッドでは、効果のない方もおられますし、
沢山できた卵胞が、同時に大きくなるため、卵巣が膨らんだり、腫れたりする事もあります。
(卵巣が腫れる症状を、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といいます。
PCOSの原因はアンドロゲン?
現在では、「アンドロゲンが原因では?」という論文がよく見られます。
アンドロゲンなど「男性ホルモン」は、微量ながら女性にも分泌されています。
男性ホルモンは卵胞などに働き、発育に影響を影響を及ぼします。
では、そのアンドロゲンはどこから?といえば、
インスリン抵抗性が原因、
と言われています。
インスリンとは、糖尿病などでよく聞く言葉ですね、
血液中に巡っている糖分を「インスリン」は体の中に引き込みます。
その血糖値を下げる働きをする「インスリン」に対して、
余り効果を示さない状態を「インスリン抵抗性」といいます。
インスリン抵抗性があることで、インスリンが過剰に作られ、
そのインスリンがアンドロゲンを過剰にします。
糖尿病の薬が処方される?
不妊症の専門病院で、糖尿病の薬を処方されて、
「???」
と思った方も、おられるのではないでしょうか?
メトホルモン、ピオグリタゾンなどの糖尿病の薬は、
→ インスリン抵抗性を改善して、
→アンドロゲンの過剰生産などが解消し、
→排卵につながる、
もしくは、排卵誘発剤に効果がでる場合もあります。
もちろん、インスリン抵抗性があっても、高インスリンになるひと、ならないひと。
人それぞれです。
ただ、卵巣でアンドロゲンを生産しやすい方は、
インスリン抵抗性を起こしやすく、「肥満になると排卵障害を起こしやすい」。
ともいえます。
漢方での改善法
1)
漢方では水の流れがうまくいかない事により、排卵がうまくいかないと考えます。
たとえば、化痰利水の処方と活血の処方をあわせて使います。
2)
肥満の方はダイエットをお勧めしています。
特に脂質の代謝異常の方には、三爽茶などのサプリメントの併用をお勧めしています。
PCOSの場合は、まず排卵をすることが重要ですので、
病院に通い検査しつつ、漢方を服用して、体を強化する事をお勧めしています。
参考:日経DI 2010/12号