漢方ではしゃっくりを「吃逆」もしくは「噦」といいます。一時的なものは良いのですが、1週間の内に何回も起こす、、、となると何かの改善も必要になります。 しゃっくりにも種類があり、だいたい次の2つに分類しています。
- 水の停滞(痰飲)
- 胃の冷え(胃寒)
胃の冷えはよく見られます。胃の冷えから、胃の気が上に上がってくるのでしょう。頻繁にしゃっくりを起こす、食欲の不振、胃の冷痛があったりとします。
シャックリにつかう処方
- コタロー ネオカキックス(柿蔕湯)
- 柿蔕湯 [していとう] (柿蔕・丁子・生姜)
胃を温めてしゃっくりを治す処方です。煎じる場合は、柿蔕15g、丁子1.5g、生姜4gで作りますが、加減する場合もあります。からだの元気が無い場合は、さらに人参を少量加えて丁香柿蔕湯(ちょうこうしていとう)という処方もあります。 「苦いからびっくりしてしゃっくりが治る」という俗説もありますが、ある文献ではヘミセルロース質が胃の中で凝固してその作用でしゃっくりを止めるという記載もあります。実際はよくわかりません。
柿蔕 性味:苦・渋・平 帰経:胃
丁子 性味:辛・温 帰経:肺・胃・脾・腎
生姜 性味:辛・微温 帰経:肺・脾・胃
中医臨床のための中薬学より
その他、橘皮竹茹湯、半夏瀉心湯、呉茱萸湯、茯苓飲なども使うことがあります。しゃっくりが続くと腹痛(腹部の筋肉の使いすぎですね)を起こしやすく、芍薬甘草湯を短期的に併用すると楽になることも多いです。
小児のしゃっくり
小児は、しゃっくりを起こしやすく、母乳を飲むたびにしゃっくりをする、というご相談もあります。「何か病気ですか?」とも聞かれますが、特に、問題はありません。ちょっとだけ、母乳をあげたりすると自然と治まります。それに大きくなったら自然にしゃっくりをしなくなります。
しかし、あまりに長く続く場合は、お母さんとしても見ているのが辛いようで。その場合はネオカキックスをお湯に溶いて服用していただきます。
しゃっくりと西洋薬
西洋薬については、プリンペランを使っていた例を見たことはありますが、その他にも日経ドラッグインフォメーションに記載がありました。
中枢性筋弛緩剤のバクロフェン(商品名ギャバロン、リオレサール)をよく使用する。多くの場合、10~15mg/日から開始し、3日ごとに効果を見ながら適宜増量していく。中略 しゃっくりの薬物療法で使われる薬剤はいくつかあり、メトクロプラミド(プリンペラン他)、クロルプロマジン塩酸塩(ウインタミン、コントミン他)、クロナゼパム(ランドセン、リボトリール)、芍薬甘草湯、呉茱萸湯、柿蒂散などがある。 日経ドラッグインフォメーション2016.04PE021より抜粋
色々な処方が使われているんですね、、、。
しゃっくりその他の原因
その他、しゃっくりの原因として、病気や処方された薬によるもの、もあります。ガンで入院中の男性、「しゃっくりが止まらない」とのことで、ご家族からの相談がありました。ご家族が医師に話したところ、「柿のヘタを試してみては?」ということで当薬局を紹介されたようです。お話しをお伺いして、柿蔕湯をご紹介しました。 しばらくして、「治まったよ」との嬉しいご報告がありました。柿のへたの使い方はこちらから。販売もしています。
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