不妊症のご相談と共に、授かったお母さんに産後の養生についてもお話ししています。最近では1週間ほどで退院、その後すぐに働き始める方も多いです。
産後の養生、今まで以上にしっかりとしておかないと、ふらつき・疲れ・眩暈とともに、母乳が出ないなどのトラブルもあり得ます。そのときにお勧めする乳泉という処方があります。
効能効果
乳泉の効能効果を見てみると、
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催乳剤
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と、シンプルに書かれています。すごいですね。催乳剤です(^-^;;;;
母乳は出産直後少ないですが、マッサージをしたり、赤ちゃんが吸うことによって徐々に増えてきます。それでも、母乳の出が悪い、 乳汁不足の時に使う処方です。
乳泉の成分
といってこれだけでOK!という漢方ではなくて、、、もう少し詳しく見ていきましょう。
乳泉は蒲公英湯を加減して建林松鶴堂の偉い人が作った処方です。蒲公英湯は「蒲公英・当帰・香附子・牡丹皮・山薬(原典:奥方函)」。そこから、乳泉散(栝楼根、蜂蜜)、大塚家方(白僵蚕、寒梅粉)を組み合わせています。
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乳泉(蒲公英湯加減):蒲公英末・栝楼根・白僵蚕・山薬・甘草
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母乳を出す処方としては昔の先生は試行錯誤をされていたようです。
乳泉の効果はどうだろう?
そのなかでも、タンポポは単体でも煎じて利用されていたようですが、生薬の解説を見てみると下記のような記載があります。
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蒲公英:苦甘・寒
1)清熱解毒・消腫散結 2)利水通林・清利湿熱 3)清肝明目
中医臨床のための中薬学より
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どうも、蒲公英・白僵蚕ともに、初期の熱(炎症)をとる作用が強いんですね。じゃぁ催乳というよりも乳腺炎に使うのかな、と疑いながら使ってみると、、、意外と催乳の作用がいいんです。
補血薬と併せて使いますが、乳泉を加えると母乳が出て、乳泉だけ中止すると母乳が出にくくなる。実感として、効いているんだなと思います。私としては、母乳の出る管が閉塞し炎症を起こしやすいのを改善するんだろうな、と思っていますが、よく解りません。
なぜ補血薬と併せて使うのか。母乳は産後の気血を養ってこそ、満ち足ります。工場や資材をしっかりとさせるイメージです。
母乳は内容を充実させるためにも、婦宝当帰膠・芎帰調血飲第一加減・当帰芍薬散など補血の処方と一緒に使わないとダメです。
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特に産後は血が不足しやすく、不足することで
- 産後暫く経っても体力が回復しない
- 不眠傾向、ぐっすりと眠れない(途中で夢をよく見る)
- 精神的に、イライラと不安定な状態が続いている
- 髪質が悪くなった、抜け毛が多くなった
ということも起こります。特に、完全母乳育児を目指すお母さんには最初から何か補う漢方は服用しておきましょう。
症例・口コミ:娘の母乳が出にくい
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娘が母乳が出にくい。娘30代、初産。
産後2週間、頑張っているけれども母乳が思ったように出ず、ミルクを混合しようかと悩んでいる。赤ちゃんはよく泣いてむずがる。漢方でなんとか増やすことが出来ないのか、との相談。痩せ形、疲れあり、もともと生理不順もあり冷え症。若干早めに生まれた。その他特に問題は無い(後略)
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お母さんからのご相談でしたが、産後はしっかりと生活習慣を整える、また養生することが大切ですよとお話ししつつ、芎帰調血飲第一加減と乳泉の服用をお勧めしました。お母さんからは2週間後ぐらいにお電話を頂いて「ちょっとずつ母乳が増えているみたいで喜んでいます~!」と。
なんにせよこれで改善!というものでは無いので、継続して服用をお願いしています。(この方の場合は3ヶ月ほどは芎帰調血飲第一加減+乳泉を続けて、その後は芎帰調血飲第一加減だけにして継続していました)
母乳の詰まりの場合ですね、初期のなんとなく腫れぼったいときは、葛根湯や牛蒡子がお勧めです。あ、あと、食生活を整えるのも重要ですよ。
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乳泉のメモ
商品名 | 乳泉(にゅうせん) |
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ジャンル | 第二類医薬品 |
内容量 | 30包入り 約10日分 |
商品単価 | 2800円(税抜) |
ポイント | 母乳不足が気になる方へ |
販売元 | 建林松鶴堂 |
摂取方法など | 1日3回、1回1包服用してください。 |