低用量ピルは「妊娠しちゃった信号を出す」処方薬です
低容量ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(合成された黄体ホルモン)が含まれています。低用量ピルとは、エストロゲンの含有量が50μg以下のものを指します。
エストロゲンもプロゲストーゲンも、卵巣から放出されるホルモンです。この量が多くなったり少なくなったりすることで、月経周期が保たれています。
低用量ピルは、「体の中のホルモンは十分ありますよ!」という信号を出すことで、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを抑制し、LH、FSHなどの量を減らします。そのため、卵胞の成長が止まる、つまり、排卵が抑えられる、という仕組みです。
もし、途中で低容量ピルの服用を中止したら、また、低容量ピルを飲みきった場合は、体の中の卵胞ホルモンと黄体ホルモンが低下しはじめます。これは、ちょうど妊娠できなかったとき、月経後期の状態とよく似ています。
低容量ピル服用終了後2~3日で、卵胞ホルモンや黄体ホルモンがないために子宮内膜を維持できなくなります。そうすると、月経が起きて子宮内膜の掃除が行われます。
若い頃は低用量ピルを服用していましたが、このせいで不妊になったのでしょうか。
「低用量ピルを服用していましたが、このせいで不妊になったのでしょうか」時々相談される質問です。言い換えると、「低用量ピルを継続したために、ホルモンバランスが崩れて不妊になってしまった」と心配されているのかと思います。
低用量ピルは不妊とは関係有りません。ポイントは低用量ピルを服用し始めた前の状態です。生理痛や月経不順はありませんでしたか?低用量ピルは治療薬にはなりません。悪い状態をマスクして「快適な生活を送るための処方薬」です。妊娠は元々の体質が大切ですから、今からでも、生活習慣・漢方薬などで体質改善することをお勧めします。