体外受精の基礎 [スケジュール]

 体外受精のスケジュール

体外受精には、ロング法とショート法、アンタゴニスト法のほぼ3つがあります。

もっともよく使われているのはロング法。アンタゴニスト法は2006年あたりから始まった方法です。今後の主流になると思います。

 

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体外受精は急に始めよう、ということは出来ず2?3周期かけてタイミングを取りながら進めていくことになります。ロング法の場合は前々周期から夫婦合同作業が始まります。

色々なスケジュールがあると思いますが、某病院で「3月に体外受精を受けたい」という仮定でお話ししましょう。

 

1月(前々周期)にすること

病院にて体外受精の説明会の予約をします。

 ここで体外受精について勉強しつつ、スケジュールを検討します。体外受精は注射など毎日打つ必要があるため、仕事を休んだり、午前だけの勤務にしたりと家族や職場の協力も必要になります。

特に、排卵後、胚移植から妊娠判定までは、家事程度以外は安静にする必要があります。できるだけ、仕事は休みスケジュールを空けるようにしましょう。 

 

2月(前周期)にすること

前周期は避妊する必要があります。ロング法ではスプレキュア点鼻薬を高温期に入って2?3日後より、採卵の直前まで続けます。

 

スプレキュアはGnRHアゴニストと呼ばれ、卵胞が未熟な段階で排卵してしまうのを抑えます。体外受精は、できるだけ良い状態で採卵することが必要なのですが、自然周期でうまく採卵することはとても難しいです。

そのため 「排卵誘発剤(FSH/GnRH)で卵胞を育てながら、自然排卵を止める→よいタイミングで排卵させる」 という方法が採れています。

 

スプレキュアは1日3回、8時間ごとに点鼻します。(生理中も点鼻します) この間に次の周期のスケジュールをきっちりと立てておきましょう。

 

アンタゴニスト法とロング法

 アンタゴニスト法は、スプレキュアのかわりにセトロダイト(GnRHアンタゴニスト)を使う方法です。合併症であるOHSSの発症率が下がると言われています。

 

3月(本周期)にすること 

生理開始とともに、体外受精が本格的にスタートです。

生理開始2?3日後に排卵誘発剤の注射が始まります。FSH/hMG製剤は毎日もしくは隔日で打つ必要があります。不妊専門の病院によっては近くの診療所で代理で注射して貰うことも出来ます。

 

FSH/hMGは卵胞を刺激する働きがあります。通常は、1周期に1個の卵子しかできませんが、刺激することによって複数の卵胞が発育します。

複数の卵胞を採卵することは、「一番状態の良い卵胞を選べる」「採卵を最小回数に抑えることで体に負担を掛けない」などの意味があります。

 

定期的に超音波で卵の大きさをチェックしながら採卵日を決定します。採卵前後は全日お休みを取るのがよいでしょう。採卵後は病院側で培精し、グレードをみつつ胚移植の日が決まります。

 

胚移植以降は黄体ホルモンを服用しつつ着床を待つことになります。

スプレキュアなどで黄体ホルモンを出す力が減っていますので、黄体ホルモンの処方薬は欠かさず服用するようにしましょう。また、忙しい仕事は、せっかくの着床に悪影響を与えますので、軽めの家事程度で安静にすごしましょう。

 

胚移植から、10?14日後、尿検査によって妊娠検査します。

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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