冷え性は、不定愁訴といわれ、更年期特有と思われがちです。が、実際には、10代から悩む方も多く、「20年来の冷え性」など長期にわたって続きます。さらに、全年代で、約7割の女性が冷え性に悩まされているという統計*もあります。(* エスエス製薬編:冷え性白書)
冷え性の症状で多いのが、「腰痛・関節痛」などの痛みを併発するタイプ。慢性の方になると「夏でも厳しい手足の冷え、末梢の痺れ」という訴えも多いです。冷え性は手足の冷えだけが症状ではなく、「生理痛・月経不順」も冷えによって悪化します。「肩こり・肌荒れ・めまい・イライラ」これらも冷え性が原因の場合が。さらに、「食欲不振・下痢・便秘」胃腸関係の症状も、冷え性によって悪化します
一言で、冷えといっても、色々な症状があります。また、それに併せて解決方法も全く違います。
女性に多い冷え性の原因
女性に冷え性が多い原因として、
- 食器を洗ったり、料理をしたり、日常的に体温を奪われやすいこと、
- ホルモンバランスが変化しやすいこと
- 貧血症状が起こりやすい、筋肉が少なくポンプ機能が低下している
が考えられます。
1)は「熱を奪われてしまったために起こる冷え」:ストーブ・ヒーターなどで良くなる冷えですが、2.3)は、「熱を生産できない、熱を届けることが出来ない」:内側からの冷えで、一度暖まってもすぐに元に戻る、という特徴があります。
時々ご相談いただく中には、「お風呂から出た瞬間に手足が冷たくなるのがわかる」、「寝ていてあまりの冷たさに驚かれたことがある」、「指が蝋のように白くなる」という話もあり、10代から60代まで幅広くお悩みの方がおられます。
漢方薬で内側から改善する方法!
「身体の内部に原因のある冷え性」を東洋医学では、まず「気・血・水」に分けて考えます。ご相談の中で見ていて、冷え性の女性に多いのは「血虚」その次には、血瘀、気滞と続きます。
代表的な血虚タイプ、血於タイプ、気滞タイプを紹介しましょう。
冷え性の漢方薬:全体まで暖められないタイプ(血虚タイプ)
身体を暖めるべき血が減ってしまったタイプです。若い女性に多くて、生理不順を訴えられる場合が多いです。お風呂に入っても手足がぬくもらない、布団にヒーターを入れても寒いなどの悩みがあり、こういった冷え性のタイプには婦宝当帰膠や当帰芍薬散などがお勧めです。
冷え性の漢方薬:血が滞ってしまったタイプ(血瘀タイプ)
血の流れが滞ったことによって体の端まで暖められなくったタイプです。血虚タイプと血於タイプは同時に起こることがあります。生理痛や月経血に赤黒い塊がまじったりします。他にも肩こりなどが起こりやすくなります。温経湯や桃核承気湯、健婦丸、桂枝茯苓丸を併用する場合があります。
冷え性の漢方薬:気のめぐりが悪いタイプ(気滞タイプ)
気のめぐりが悪くて「陽気が末梢までいきわたらない」タイプ。このタイプは大体ストレスによる場合か、病気をしたことや年齢(加齢)などによる元気が不足している場合があります。
こういうタイプはストレス、PMSの改善が大切になり、「清心」「四逆散」、陽気や元気が不足している場合は症状を見て「真武湯」が良いでしょう。
一般的な冷え対策の漢方薬の予算について
他にもいろいろなタイプがあります。 料金的には一ヶ月で一万五千円~二万五千円程度になります。冷えの原因は一つの場合は少なくて、複数の歪みが複合するものですから、まず自分のことをしっかりと理解されることが重要です。
冷え性が治ったらどんな気持ちになりますか? 楽しい生活が出来そうですか?「風邪を引きやすくて、肩が凝りやすい」ことも一緒に解決しませんか?楽しい生活が待っていますよ!