海馬(タツノオトシゴ)

生薬のタナを眺めていたら海馬を見つけました。サイズ的には15cmぐらいの大きな海馬です。海馬ですが、大海馬と小海馬があります。種類が違うのかな?と思っていたら、大きいのを大海馬、7mm以下の小さいのを小海馬という、なんだか軽い分け方でした。海馬は、身体の腎を補う作用、老人・虚弱者の精力減退などに使われます。

海馬を使った漢方薬としては海馬補腎丸があります。20年ぐらい前、ネオン街にある薬局さんでは「ちょっと今日の夜は頑張りたいんだけど」という相談があり海馬補腎丸もよく使われていたらしいです。ただ、バイアグラなどの西洋薬が発売されて、最近では出番も少なくなりました。

ただ、実際には海馬はバイアグラなどの一時的な精力剤と違い、継続的に元気がない、ぼーっとして動かない、などの精神的な減退、継続的な精力減退に使うと効果のある処方ですので、例えばご高齢の方のそういった症状などにはまだまだ有効です。

今は老人の疲労だけで無く、不妊症(高齢妊娠・出産)や男性不妊、更年期や女性の冷え性の改善などにも使います。

海馬

 海馬:性味:甘・温 帰経:肝腎
補腎壮陽、納気平喘、止遺尿(陽虚のED、勃起不全などに)中医臨床のための中薬学

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

目次