爽月宝(そうげつほう)はこんな処方です

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こんな時に使います

爽月宝は桂皮・三稜・莪朮・フランス海岸松樹皮の処方です。不妊症や婦人科では”陽虚瘀血”、「下腹部がじんわり冷える」「生理痛がシクシク酷い」、体の元気がない(色白でぼんやりしたようなタイプ)、若いのに影が薄い、というタイプに桂枝茯苓丸、通導散、折衝飲、冠元顆粒、温経湯など活血薬と併用するようにします。

ご高齢の場合は、頑固な痛み・痺れ、自転車がこぎにくい、座っていると痛む、冷えるといった症状に、独歩顆粒・真武湯・八味地黄丸・桂枝加附子湯など暖める処方と併用します。

処方構成の解説

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爽月宝:桂皮・三稜・莪朮・フランス海岸松樹皮

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組成でいえば、君(メイン)桂皮、臣(補佐):三稜・莪朮、佐:フランス海岸松樹皮となり、桂皮を中心とした「温める処方」です。

「温める」といえば一般的にはジンジャー(ショウガ)が有名ですが、桂皮(肉桂/シナモン)もすごいんです。NHKでは、シナモン・ヒハツ・ルイボスティーがゴースト血管を改善すると放送されたり、シナモンコーヒーがちょびっと流行ったり。少し使うだけでもポカポカと良く温まります。クックパットのシナモンコーヒー

桂皮は体を温めることで経脈を通し、全身に気血を行き渡らせる効果があります。ただ、桂皮の腎陽不足を改善する効果は軽いものですから、症状が酷い場合は附子を併用したり、鹿茸など動物生薬を使った霊鹿参などの製品をお勧めすることもあります。

爽月宝の場合は、桂皮の効果を補強し循環を改善する意味を込めて「三稜・莪朮」を一緒に加えているのですが、私としては活血の処方にプラスアルファで爽月宝を使ったり、補腎陽の八味地黄丸・海馬補腎丸などにプラスアルファで爽月宝を使ったりしています。単体で使うよりも効果がいいです。

子宮内膜症で爽月宝などを使用した症例

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30代女性、生理痛はそれほど強くはないが1~2日目に痛み有り。左卵巣が腫れており、チョコレート嚢胞と診断されている。冷え症有り(腰だけでなく、手先も冷たい)。将来的に妊娠希望。生理周期はやや延長傾向あり。基礎体温は記録していない。

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処方 :婦宝当帰膠・爽月宝・[                ]

服用後のフォロー:1ヶ月後、生理が「チョロとした鮮血」だったものが「少し黒い血が混じった鮮血で量が増えた」。調子が良くなってきたため、本格的に妊活、基礎体温を測り始めることになった。その後は、婦宝当帰膠に健婦丸・杞菊地黄丸などを加えて服用を継続。

爽月宝

爽月宝は2018年からカプセル→錠剤に変わりました。新爽月宝(パッケージ表記は爽月宝)は2018年2月から流通しています。

 

かじってみると、鼻にシナモン(桂皮)の香りが漂ってきました。感覚的には、口にくっつくハードカプセルタイプよりも飲みやすいと思います。

商品名  爽月宝
ジャンル 健康食品
内容量  180粒/瓶
商品単価  9500円(税抜)
ポイント  体を温め循環を改善する。
構成生薬 桂皮・三稜・莪朮・フランス海岸松樹皮
販売元 イスクラ産業株式会社
摂取方法など 1日3~6粒を目安に服用

店頭のみの販売商品になります

数年前から一般名にあたる「フランス海岸松樹皮」に表記が変わっています。昔はピクノジェノールを使っていましたが、今は別のメーカーの同じような原料を使っているのでしょう(^-^;;;ピクノジェノールはスイス・ホーファーリサーチ社の登録商標です。(セロテープがニチバンの登録商標、みたいなものですね)

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この記事を書いた人

福田優基のアバター 福田優基 薬剤師/国際中医師

ゆうき先生:漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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