海馬補腎丸は動物生薬を使った珍しい漢方薬。効果も強い、重火器のような処方です。
海馬補腎丸の効能効果
効能効果:滋養強壮・肉体疲労・虚弱体質
体を補う漢方処方は決まり事で「滋養強壮」と書かれることが多いのです(^-^;;;;; ただ、これって総称みたいなもので。「野菜」みたいなカテゴリ分けです。野菜には人参もあれば大根も小松菜もあります。すべて「体を元気にします!」みたいな雰囲気ですが、同じ効果ではありません。種類ごとにうまく使っていきましょう。
海馬補腎丸は「圧倒的な」元気
腰が痛い、朝起き上がるときに辛い、耳が聞えにくい、眠りが浅い、夜中に3回も4回もトイレに起きる、こういった身体の老化を予防する漢方処方は色々とあります。西洋医学では難しく、漢方に求められる分野だと思います。
老化予防の処方、というのはひとつではなく、大きく陰陽に分けて考えます。陰を増やすか、陽を増やすか。
どちらを増やすかによってまったく違います。ご高齢の方にお勧めする処方、八味地黄丸・知柏地黄丸・杞菊地黄丸などの補腎薬は「とてもバランスのよい処方」が多いのですが、海馬補腎丸は圧倒的に「腎陽」を補います。重火器のような処方です。
やる気も無いし体も動かない時に
「すごく」元気が無く、冷えがある、特に「寒くて仕方が無い」底冷えのときにも使います。「やる気もないが身体も動かない」まるで電池切れのようなタイプにもいいでしょう。
不妊相談で「男性が仕事で疲れすぎて性欲が無い(そんなことをしているぐらいなら寝ていたい)」というタイプにもお薦めします。
中高年の夏でも何となく力が入らないし冷えるとさらに辛いという腰痛・膝痛、に使うこともあります。漢方ではこういった腰痛を腎虚腰痛と呼びます。
漢方での「腎陽虚」と言われる症状は高齢の女性だけでなく、男性にもよく見られる症状です。またこういった症状での痛みの改善には海馬補腎丸単体ではなく、血行循環を改善する冠元顆粒・桂枝茯苓丸などを併用します。補腎については下記も参考にしてください。
海馬補腎丸の残念なところ、副作用
海馬補腎丸も残念なところがあり、動物生薬を使っているため安定供給が難しいです。海馬自体取りにくく、漢方薬やお土産物などの需要が増えたため乱獲が横行しているようです。
そのためか、八ツ目製薬の製品も時々欠品を起こします。昔、イスクラ産業からも海馬補腎丸が販売されていましたが、こちらも薬事的な理由で廃盤になりました。
極めて忠実な配偶者 雄のみが出産
雄のタツノオトシゴは、動物界で唯一出産する動物である。雌は雄の育児嚢に卵を預けて、そこで卵は受精され、胚は10日から6週間発育する。タツノオトシゴは貞節で有名である。雄雌のペアは、他者を一切介入させず、繰り返しつがいとなる。一雌一雄関係は、数分間続くダンスの儀式で毎日挨拶することで強められる。(中略)交配の貞節の厳格さには、乱獲を一層ひどくするという特徴があるからだ。これは、ほとんどのタツノオトシゴが単独で採取されるためである。(中略)すなわち、分かれると繁殖サイクルが分断され、子孫が減少する。(中略)成熟したタツノオトシゴはカムフラージュに優れているため、捕食者は少ない。まずそうに見える骨板と骨棘があり、人間による場合を除いては、ほとんどそのままほっておかれる。(中略)タツノオトシゴが不利な状況に置かれる理由は、次のとおりである。地理的な分布に厚みがなく、移動性が低く、行動圏が狭く、子育て期間が長く、そして生殖能力が低い。引用
海馬のもうひとつのデメリットとして、効果がありすぎること。人により胃もたれや動悸を起こすことがあります。「他の漢方薬では大丈夫だけども海馬補腎丸はね」というかたも。
人によると思いますがこの場合は1回当たりの量を減らすと改善することが多いです。それでも胃もたれをする場合は、参馬補腎丸を使っています。
症例(口コミ)
海馬補腎丸で男性の気力が改善した症例-1
80代男性、4月、病気でしばらくの間入院をしているうちに気力が無くなってしまった。頭がぼーっとして考える力が出ない。言葉がまとまらない。底冷えがあり、厚着をして対応をしている。病院から退院はしたが、動くこともままならず困っている。
入院前までは元気だったのに、、、、と家族も困ってのご相談でした。4月で暖かくなってきたかな、という時期なのに、コタツを使って体を温めているとのことでした。
冷えの極端な例ですが、こうした生命エネルギーの低下したような症状、これは腎陽虚の症状です。体を温めると少し楽になるのですが、解決はしません。海馬補腎丸を加減して冠元顆粒+αをお薦めしました。
ぼちぼち頑張ります、とのことでしたが、、、。2ヶ月ほどのちには、元気が出てきたらしく、畑仕事も出来るようになっています。
全身の冷え、夜の頻尿が改善した症例-2
40代男性、170cm 60Kg 全身の冷え(特に足)と頻尿。尿量は少なく切迫感有り。病院にて○○○○○○と八味地黄丸を処方されるが改善されず。冷えは足のふくらはぎ、全身の冷えなども感じる。クーラーに特に弱い(中略)
病院を受診したが副作用で下痢が強く出てしまったため不安。漢方薬でなんとかできないのか、というご相談でした。そこまで冷えは強くなさそうでしたが、仕事の疲労で出かける元気無くなり、疲労感がとれない・・・とのことでしたので。お話を聞いて、海馬補腎丸+ での処方を提案しました。
常用量で服用すると半月ほどで冷えの改善が見られ。ただ、1ヶ月ほど継続すると動悸を感じるとのことで、海馬補腎丸だけ2/3量への変更。また、八味地黄丸が「もったいない!」とのことで、追加で数粒服用する事を提案。
2ヶ月ほどで夜間の頻尿を感じない日も出てきた。動悸も感じていないとのこと。仕事が忙しく、夜しっかりと眠れない日が続いている。仕事はディスクワークが多いため、冷房の風が辛いらしい。
3ヶ月ほどで体が暑く感じるときが出てきた。海馬補腎丸は1/2量へ変更。ただ、服用を中止すると徐々に冷えが強くなってくるように感じるので、自身で加減しつつ、服用中。
腎陽虚と脾気不足の症例で量を調整しつつ、現在も継続して貰っています。
中折れが改善した症例-3
50代男性、普通体型 やや高血圧傾向。もともと性欲自体が少なかったが、最近、中折れの頻度が増えてきて不安。最初から立たないときも時々ある。バイアグラを服用しても不安なときがあり、副作用が心配。仕事は忙しく管理職。不眠、すべてにおいて不安感強い。運動は特にしていない。仕事は終電を超えることもある(略)
この方の場合は、腎陽虚と共に、ストレスによって悪化しているように感じました。不安感が強く、緊張によって肩こりや頭痛も強いようでしたので○○○○○という処方を加えて、ストレスの改善も考えました。
仕事がさらに忙しくなり処方をお渡ししてすぐに帰る、という状況でしたが。イライラや症状は良くなるときが増えて、うまくいっているということで、気に入って継続していただいております。
海馬補腎丸メモ
商品名 | 海馬補腎丸(かいまほじんがん) |
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ジャンル | 第二類医薬品 |
内容量/価格 | 2024年3月より価格変更になりました。 500丸 17200円(税抜) ※240丸は取り扱いしておりません。 ※1000丸はメーカー販売終了になりました。 |
効能効果 | 滋養強壮、肉体疲労、虚弱体質 |
内容成分 | 成人(15歳以上)1日の服用量20丸中、次の成分を含んでいます。 ニンジン 0.50g ゴウカイ 0.30g オウギ 0.25g タイカ 0.30g ジオウ 0.25g ロクジョウ 0.30g リュウコツ 0.25g カイクジン 0.25g サンシュユ 0.15g トウキ 0.25g トウニン 0.15g ロクジン 0.25g ブクリョウ 0.15g ロクキン 0.20g チョウジ 0.10g ホコツシ 0.15g クコシ 0.25g ロジン 0.15g カイマ 0.50g 添加物として、トウモロコシデンプン、ハチミツ、カッセキを含有します。 |
販売元 | 八ツ目製薬 |
摂取方法など | 次の量を1日2回食前に水又は白湯で服用して下さい。 成人(15歳以上)1回10丸、1日2回 |
※在庫僅少時は複数本のご購入はご遠慮いただいております。状況などご相談の上で販売しています。