間欠性跛行(かんけつせいはこう)をご存じですか?専門用語を使うとわかりにくいですが「歩いていると、足が痛くなって動けなくなる症状」といえば、すぐに「あ~あれか」とわかっていただけます。
間欠性跛行は「一定の距離を歩くとふくらはぎのあたりが締め付けられて、少し休むとまた歩けるように」なります。スーパーの帰りに途中で休憩しているご高齢の方、よく見ませんか?足先が上がらない、足の裏が痛い、といった症状もでてきます。足が動かなくなってほんとうに歩きにくくなるんです。
間欠性跛行には種類があります。
- 閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
- 動脈硬化によって血流が悪い。歩くと血流がさらに悪くなり酸欠状態に。喫煙・糖尿病・高血圧などで悪化する。
- 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
- 老化による脊柱の変形。神経の通り道が細くなっている、歩くと神経に届く血流が減るために酸欠状態に。姿勢により悪化する。
どちらも通り道が細くなって起こる症状です。水道のホースが細くなった、そんなイメージです。すごく悪化した場合はどちらも手術することがありますが、軽いうちは、漢方で改善する事も可能です。
漢方での間欠性跛行を考える
漢方ではこうした足の動きが辛くなる症状(腰痛・しびれ・膝の痛み)をまとめて「痺証(ひしょう)」と呼びます。原因となっている場所は違うのですが、漢方では「血行循環の問題」が大きな原因と考えます。閉塞性動脈硬化症・脊柱管狭窄症、どちらも血行循環が悪いことによって起こりまので、だいたいイメージはつかめると思います。
体質としては、湿熱阻滞型・寒湿痺阻型・気血瘀滞型・気血両虚型などなどがあります。店頭でのご相談では「長く慢性的に進行した気血瘀滞型が多い」とは感じています。「足の静脈が怒張して」いたり「タバコやめられへんわー」「コレステロールを下げる薬ずっと飲んでるねん」とか。生活スタイルも血行循環を悪くします。
漢方処方としては、補陽還五湯、疎経活血湯、独歩顆粒、冠元顆粒といった血行循環を改善する処方を中心に考えることが多いです。