「子宮内膜が薄くても妊娠しますか?」「子宮内膜は厚くなりませんか?」そんなご質問があります。不妊症専門の病院に行くと排卵期に子宮の厚さを教えてもらえますから、敏感になります。妊娠するかしないか、それは子宮内膜の厚さだけで決まるものではありません。心配しないで大丈夫です。
ただ、この子宮内膜の厚さ。ある程度無いと妊娠しにくくなります。データを探してグラフにしてみました。6mmあたりに壁があり、7mmを超えるとだいたい妊娠率は変りませんので、厚さはある程度あればいいのかな、と考えています。 *
では「より着床しやすいようにする」ためにはどうすればいいのでしょうか。それは、厚さ以外にも「子宮内膜の質」が大切になります。「子宮内膜はふわふわのベット」です。実は子宮内膜はマットレスとベットパットが組み合わさったような形をしていて、マットレスはベットパットに栄養を供給し育て、ベットパットは着床の準備をします。卵が着床しなかったベットマットは毎周期剥がれ落ち、生理となって交換されます。
子宮内膜を育てる、漢方での考え方
子宮内膜が薄い。子宮内膜の質が悪い。漢方ではこの原因として「瘀血(おけつ)」と「血虚(けっきょ)」を考えます。瘀血とは、血行循環の不良、血行循環が悪くなるとベットパットが育ちにくくなります。血虚とは、栄養などを運ぶ「血(けつ)」が不足した状態です。
どちらにしろ、血の状態を良くすることが大切で、例えば瘀血を解消するためには「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」や「血府逐瘀丸」「桂枝茯苓丸」「温経湯」などの処方があります。血虚を改善するためには「婦宝当帰膠」「参茸補血丸」「当帰芍薬散」などの処方があります。
全体の体質を検討しながら処方を検討しますので、これだけでOKというものでもありません。また「血」の材料となる鉄を含む食品(レバー・しじみ・ほうれん草など)をバランスよく食べることも大切です。こうしたことに気をつけて、良い状態、良い子宮内膜を作っていきましょう。
繰り返しますが、しっかりと着床するための子宮内膜は厚さだけではなく、質も大切です。
*子宮内膜の厚さがある程度・・・というのは、子宮内膜は立体的で、かつ蠕動運動しているので、超音波で厚さを正確に計るのが難しいためです。