精子も35歳から老化する。35歳を過ぎてからの漢方対策

不妊症の原因は女性だけではありません。男性側に問題がある場合もあります。ただ、男性は相談が難しく、特に男性が年上の場合「精液検査?!う~ん・・・」となることも多いです。

第二子不妊で相談中の35歳の女性。第一子はすぐに授かったのですが、第二子がなかなか授からない。その方から「こんな記事を読んだんですけど、うちの旦那、何とかなりませんか?」という質問がありました。

精子は老化しますか?!

読売新聞に下記のような記事が掲載されていました。濃度や直進性以外の「見えない活性化能力」も低下しているかを調べた実験です。この記事によると、5年で2~3割は活性化能力も低下するとのことでした。

岡田教授らは、男性不妊外来を受診した男性のうち、明らかに精子の形態や運動能力に異常が見つからない80人分の精子を採取。精子の能力を調べるために、マウスの卵子に顕微授精させて、分裂を促す活性化能力があるかどうかを調べた。その結果、35歳未満の男性の精子では約7割に活性化能力があったが、35~39歳では62%、40~44歳では52%、45~49歳では39%と、35歳を境に低下した。[読売新聞 2014/04/17]

精子の老化

精子を作る「精巣」は工場と一緒です。工場が古くなれば不良率も上がります。不良率が上がれば、妊娠率も低下します。工場が劣化する原因として、「年齢」も重要ですがそれ以外にもタバコ、睡眠、ストレスなどの生活習慣も関係してきます。

年齢は回復できませんが、それ以外の部分は改善できます。まず、工場を建て直して、良い材料を持ってくることが重要。

  • 煙草は吸わない。
  • 寝る前の甘いもの、高脂質のものは控える
  • ストレスをためず、ゆっくりと眠る

こういった改善と、体の活性酸素を減少させ腎のチカラを補う処方を漢方薬では検討します。例えば、当薬局では抗酸化のチカラのある冠元顆粒、腎を補う海精宝など(もちろん、体質によって処方は変ります)をよくお勧めしています。

ところで、濃度や直進性などについてはこういった論文があります。こちらでも35歳を境に徐々に精子の状態も低下していくようです。

精液の測定値は、年齢が34歳までは変更がありませんでした。35歳以降は、総精子数(総運動性)が低下しました。精子濃度と正常な形態の精子の割合は、40歳以降に減少しました。精子の運動性や精子の直進性は、44歳以降から低下しました。 Y染色体の比率は56歳以降から低下しました。(注釈 Y染色体の比率が少なくなると女性が生まれやすくなる)[サマリーを意訳]
Fertility and sterility Age thresholds for changes in semen parameters in men
参考:日経BP

男性が35歳以降、子宝を望まれている場合は、生活習慣の改善、それと何らかの漢方薬で補ってあげること、とても大切だと考えています。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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