クローズアップ現代の2012年2月12日放送で、「産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~」として現代の不妊治療について放送されました。その後、お問い合わせなどもありましたので、少しまとめてみたいと思います。
放送については、こちらから「産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~」も閲覧できます
※引用部分はクローズアップ現代の放送より引用しています
女性は何歳まで、子供を産めますか?
何歳まで(こどもを)産めると思いますか?医療が進歩している現代、40代で生まれるのもレアじゃない、努力すれば若さは保てると考えられるようになりました。しかし止められないものがあります。「卵子の老化」です。不妊の原因になると言われています。
いくつまで自然に妊娠できるかを尋ねたアンケート。実に7割以上が35歳以降でも自然妊娠可能と答えています。実際は、35歳を境に、壁が存在します。
こういった「いつまで出産できる」という誤解が多い原因として、
- 芸能人が45歳で出産するというニュースが流れると、自分もと誤解をすることが多い
- 避妊などの知識は学校で教わるが、妊娠するという知識は学校では教わらない
と伝えています。
ちょっと前になりますが、ジャガー横田さんのおめでたに、驚いた方も多かったと思います。今は、篠原涼子さん、山田花子さんなど。女性芸能人の「おめでた」には35歳を超えて、というのがあたりまえになってきました。
現代の社会、女性進出が進み、それは晩婚化傾向に繋がり、「卵子の老化」が不妊の原因になりつつある、と続きます。
この「卵子の老化」とは聞き慣れない言葉ですが、
女性の卵子は、生まれたときに、一生分の卵子が作られています。つまり、20歳の時の排卵は20年前、40歳の時の排卵は40年前に作られた卵子が、ホルモンのシグナルによって成長し、排卵します。
卵子は若ければ若いほど、「活力」もあり受精→妊娠もしやすくなります。クローズアップ現代では、
- アンチエイジングの時代でも、『卵子の老化』は女性にとって避けられない現象
- 卵子の老化によって、着床しない、流産、受精障害も起きやすくなる
と伝えています。
店頭では、「では男性は何歳でも大丈夫か」という質問も多いです。男性の精子は毎日新しく作られます。その点、女性よりも有利ではありますが、ただ、作る工場が劣化しますので、年齢が高くなるに従って運動率などが悪くなったり、します。
体外受精は魔法の治療ではない
不妊治療で子供が生まれた割合は35歳で16.8%、40歳で8.1%(体外受精・顕微授精などの時)です。こうした卵子の老化(の情報)は、学校などできちんと教えられなかったのが実情で、不妊治療に(クリニックまで)来て初めて、教わるのがほとんどです。
この16.8%という数値を聞いて、低いと感じる方も多いのではないでしょうか。
体外受精をするとほぼ必ず妊娠する、と思われがちですが、実際の統計では、20~30歳でも約20%程度です。ちなみに、一般的な、20代で、特に問題の無く、自然妊娠し出産する場合の確率は20%程度と言われています。
実際の統計は、日本産科婦人科学会雑誌の2010年3月号に掲載されています。下記、抜粋しましたが、注目するのは、△のグラフで、不妊治療で、体外受精などをして赤ちゃんを授かった率=「治療をした周期あたりの赤ちゃんが生まれた率」のことです。 24~33歳まである一定だった赤ちゃんを授かった率も、35~40歳にかけてぐっと落ち込んでいます。
この落ち込みの原因は、卵子の老化が原因ではないか、そして、その要因になるのは、
卵子は胎児の頃に最も多くて、どんどんと減少する。減少していくだけでなくて、染色体という遺伝の大元になっているところの情報の過不足が年齢とともに増える。それによって妊娠能力がどんどん無くなる。
とまとめていました。以下は、当店での話になります。
漢方での対策とは?
では、「卵子の年齢=妊娠しやすさ」?!・・・は完全にイコールでもありません。環境、つまり子宮の状態やホルモンバランス、食事やストレスの過多によって、本来の力を上限まで出せるか、その8割ぐらいか、ということも変わってきます。
運動会で、足の速い子が必ず優勝・・・するわけではない、のはご存じだと思います。もちろん、上位になるかもしれませんが、寝不足であれば本来の力が出せませんし、一発勝負に強い人、も実際存在します。
漢方薬は、こういった環境を作ってあげる、環境をよりよくしてあげる、サポーターのような役目、だと思います。本来の力を発揮できるように環境を整える、そして、うまく授かってもらえれば、と考えて、相談をお受けしています。