肩こりと漢方薬 『まとめ』

目次

肩こりのまとめ

肩こりの原因は色々です。

  • 血行が悪い: タバコを吸ったり、冷房に当たったりからの肩コリ
  • 血が少ない: 冷え性、立ちくらみの肩こり(揉んでも変わらない)
  • ストレス:   上司に怒られると肩がこる・緊張すると肩がこる
  •  眼精疲労から: 目が疲れると緊張するので肩こりに
  • 関節異常:  50肩や40肩、「肩コリ」より痛みで腕が廻らない
  • 姿勢が悪い: 寝転んで本を読む、猫背になっている
  • 肥満:     たくさんのお肉の負担が肩にかかっている
  • 虫歯:     噛み合わせが悪くなると妙な力が肩にかかる

その中でも、漢方薬で効果アリは血行が悪い・血が少ない・ストレスの3つの重要な肩こりです。 katakori2001

女性の肩こりと漢方薬

あまりの肩こり。肩が岩で、動きはロボット。 家に帰ったらシップを「ペタリ?♪」ああ、楽になった・・・?!こんなタイプの女性おられませんか? 実は、ほとんどのシップは「肩こり」を根本治療しません。

シップの裏にある、効能効果を見てください。

「肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、関節痛、筋肉痛、打撲、捻挫、腱鞘炎、ひじの痛み  [インダスハップ(東和製薬)]より」

「肩の痛み」って「肩こり」・・・じゃない?!湿布の有効成分インドメタシンは、鎮痛・消炎効果はありますが、慢性的な肩こりに必要な「血行循環を改善する作用」はありません。肩こりのほとんどは打ち身や捻挫などの一時的なもの(急性症状)ではなく、慢性的な症状です。

慢性的な肩こりは内側からの改善、つまり漢方薬がよく効きます。

肩こりにオススメの漢方

 

 

急性の肩こり 水分代謝異常の
肩こり
ストレスの
肩こり
血行不良の
肩こり
くしゃみ
鼻水・ゾクゾク寒気
風邪のような症状
頭痛
首から後背部への
肩こり
おもだるい・こわばり
むくみやすい・胃が重い
めまい・下痢しやすい
胃がむかむか
吐き気・食生活が悪い
ストレスが多い
喉がつかえる
口が苦い
体が重い
(やる気がでない
食欲不振
便秘気味
さすような痛み
顔色はどす黒い
冷え逆上せ
シミやあざができる
生理痛が酷い
いつも同じ姿勢が
多い
カゼ・頭痛・腰痛
関節痛など急性の
症状を併発
胃腸障害・食欲不振
むくみ・体の重さ
下痢
自律神経失調症
便秘・のぼせ
胃腸障害
不眠
生理不順
慢性の頭痛
頂調顆粒
葛根湯
疎経活血湯
麻黄附子細辛湯
疎経活血湯
+藿香正気散
+苓姜朮甘湯
+加味平胃散
+防已黄耆湯
柴胡疎肝湯
疎経活血湯
+加味逍遥散
血府逐瘀丸
芎帰調血飲第一加減
冠元顆粒
血府逐瘀丸
疎経活血湯
痰湿 気滞 瘀血

注意するのは血虚の状況がある場合。血虚の状況があれば、上記の処方に加えてあげる場合が多いです。

[st-card id=3155 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”on”]

一般的な肩こりは慢性肩こり

一日中肩が重だるいタイプ。この重だるさは慢性肩こりの典型で、おじいちゃんおばあちゃんの毎日トントン、ああ今日もありがとうネェ?というのもこのタイプです。

このタイプの対策は1つだけではなく、

  1. 揉んで気持ちいい「代謝不良タイプ」
  2. 揉んでも変わらないかさらに酷くなる「血虚タイプ」

の2つに分けます。

代謝不良タイプは「疲労物質を排出できない状態」。 血行循環を良くする漢方薬:冠元顆粒で肩も軽くなりますし、血管の老化予防にもなります。

揉んでも変わらない、血虚タイプは「血が不足して疲労物質が押し流せない」状態。血を増やす漢方薬:婦宝当帰膠に冠元顆粒に混ぜて服用します。 「血虚」が酷い場合は、免疫力が弱いです。

時々、「寒い寒い。風邪を引きやすい」といわれるお嬢さんがおられますが、それも「血虚」のタイプですね。 冷房に弱く、風邪を引きやすい、夏なのに手足が冷たいといった慢性的な症状が起こりやすくなります。

OLの肩こりは慢性肩こりと急性肩こりの混合型

肩が痛むOLさんは慢性肩こりに、急性の炎症が混じってしまったタイプが見受けられます。 「血虚」にプラスして、ディスクワークで肩が凝る・冷房で肩を冷やす・同一の姿勢が続く・・・と酷くなります。 特に冷房での「冷え」などは東洋医学の六つの邪気に数えられ、痺れや神経痛につながることもあるので、注意が必要です。

改善するためには婦宝当帰膠+冠元顆粒、弓帰調血飲第一加減といった血行をよくして、寒さを追い出す漢方薬をを中心にします。

冷え性は不妊、生理痛といった婦人病の要因になりますので、早めに解決しましょう。

最近多い肩こりの症状

最近、多くなってきたのが、ストレスからのイライラの症状上司に怒られ、イライラ。これでは肩が凝っても仕方がありません。怒りが、胃腸に働いて(攻めて)、下痢を起こすことを肝脾不和といいます。

これを治すには、漢方薬の調和肝脾剤を使います。清心・加味逍遥散、芍薬甘草湯、四逆散などお勧めしいます。

他にも、のぼせと冷えが交互に来る、手足が冷えて頭が逆上せるなどの自律神経失調状態も改善する漢方薬もありますのでご相談下さい。

原因疾患を治す中成薬を根気よく服用することで、重症の肩こりからサヨナラでき、快適な生活が送れるようになります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

目次