口内炎が漢方で早く治る!

漢方を服用して早く治った!といわれるトラブルに口内炎があります。口の中の皮膚は再生能力が高いため、漢方薬でサポートしてあげると早期に改善する場合があります。

目次

口内炎の種類

口内炎と言えば丸く白くなった口内炎を思い浮かべませんか?食べ物や飲み物が刺激になって、強く痛みます。このアフタ性口内炎が一番多く、疲れたときやストレスなどが強いときに起きる、「原因はわからないけれどもなんだか頬の内側が痛い・・・」そんな口内炎です。

それ以外にも「熱いものを食べたとき」などに起こるカタル性口内炎もありますが、中年高年になるとなかなか治らない・再発をする慢性的な口内炎が増えてきます。

西洋医学的な口内炎について表にしてみました。

名前 状態
アフタ性口内炎 免疫の低下やストレスで粘膜が損傷する。円形・楕円形の白っぽい潰瘍。一般的な口内炎はこれが多い。
カタル性口内炎 虫歯・入れ歯で傷がついた。熱いものを食べて火傷を起こした。かみ傷などの物理的な刺激。ピリピリ痛い。
ウイルス性口内炎 ヘルペスやカンジダ(白い苔のような斑点)などでポツポツと複数出来ることや、赤くただれ、糜爛も。口唇ヘルペス:水ぶくれポツポツと出来る→初回なら早期に病院で抗ウイルス薬を処方してもらうと良い。
アレルギー性口内炎 歯のブリッジや詰め物、薬品(服用薬)、食べ物などでも起き原因がある。アレルギー物質が無くなると治る。

※その他、抗がん剤などによる免疫低下などでも口内炎は起きます。

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口内炎を何度も繰り返し、目や陰部など他の場所にも潰瘍がしばしば起こるようならば、ベーチェット病という膠原病の一種の可能性も。病院を受診しましょう。
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口内炎の原因を西洋医学は細菌・ウイルス・外傷などによるものと考えますが、東洋医学は内部のゆがみに原因があるのでは?と考えます。

ウイルスに感染しやすいのも体力が落ちているかもしれませんし、かみ合わせが悪いのは肩が凝っているからかもしれません。

仕事が忙しい、介護でなかなか眠られない、食生活が乱れているなど、何らかの歪みや疲れで免疫力が下がるため起こる口内炎は体からの警告のようなモノで、我慢をしていると慢性疲労症候群、風邪を引きやすい、低体温が併発することもあります。

漢方で口内炎が治れば食事も美味しい

口内炎の漢方的での体質

漢方での口内炎は急性期と慢性期に分けて考えます。

急性期

漢方では口内炎の事を「口瘡(熱毒口瘡)」と総称しています。ストレスなどによる陽気亢進か心・脾胃・肝の熱を原因とします。特に食の不摂生、脾胃の熱が多く見られます。風邪の後期にも見られますが、これも同じように余分な熱が溜まった状態ですね。

基本的には下記のような熱を取るような処方(清熱)を使いつつ、外食・コンビニ食からビタミン・ミネラルの多い自炊(野菜炒め)をお勧めしています。

ストレスと舌はとくに関係しています。舌先が赤くヒリヒリするのが続くようならやや慢性化していますので慢性期の処方も一緒に検討します。

処方名 説明
半夏瀉心湯 みぞおちのつかえ、吐き気、口の苦み、食欲不振、下痢
茵蔯蒿湯 口渇、悪心、上腹部の膨満感
黄連解毒湯 のぼせ、興奮、いらだち、焦燥感、鼻血、胃痛など。他の処方に比べても熱感・痛みは強め
白虎加人参湯 口渇、冷たい水・氷が好き、皮膚のほてり、痒み。

ちょっとした口内炎なら黄連解毒湯と下の方に記載した養生法でOKです。

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 慢性期

反復的に起きる口内炎、治ったと思ったらまた別の場所に出来る慢性の口内炎、この場合は、体の中に原因があると考えます。

虚証であることが多く体質ごとに検討する必要があります。ご高齢の方の舌を見たときに、苔がなく鮮やかな赤みのある「陰虚火旺」のこともあります。

処方名 説明
甘露飲 口腔内の乾燥、口が乾燥し荒れる、歯肉炎や歯周病など炎症がある
加味逍遙散 イライラ、ほてりのぼせなど自律神経失調症・更年期のような症状がある
温清飲 肌が乾燥しがちで熱傾向がある。温清飲の兄弟に柴胡清肝湯があり子供の夏風邪による口内炎、慢性の咽頭炎・扁桃炎に使う
十全大補湯 体が疲れやすく。年齢的に若い場合は補中益気湯を使う場合も。
清心蓮子飲 疲労感、口の乾燥があり、尿関係のトラブルがあれば
瀉火補腎丸 舌がツルツルの赤色が強く、ノボセやほてりがある。補腎の処方として便利

 

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[症例]こんな症例(口コミ)がありました

胃が悪く、口内炎をよく起こす

[st-mybox title=”症例” fontawesome=”fa-check-circle” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

60代 女性 若い頃から胃が悪く、すぐに胃もたれ。食欲不振、軟便傾向。口内炎をよく起こし「食事が美味しくない!」。足が悪く外出をしないため食生活・運動は偏りがち。舌は赤く苔が無い。割れている。冷えのぼせ、身長は低く、体重減少(やせ形)。歯科に行くとアフタ性口内炎と言われステロイドの軟膏を処方される。疲れやすいと感じる、神経質のタイプ(後略)

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口内炎・胃腸の悪さについてのご相談でした。口内炎も問題ですが、胃腸も悪く、舌は表面がつるつるしていて割れがあります。醤油や味の濃いものでピリピリするとのこと。こうした苔の少なさ・割れは陰虚、特に脾胃の陰虚に特徴的な舌です。

取り急ぎ、口内炎の改善も考えつつ、半夏瀉心湯+柴芍六君子湯+△△△△△という処方をお渡ししました。1~2週間程度で改善の兆候が見られ、下痢なども少なくなりました。

その後は、胃腸の改善も考えて、柴芍六君子湯+○○○○○を処方しています。継続することで、少しずつ食事の量も増えていき、口内炎も改善していったという症例でした。

更年期?生理の前に口内炎が出来る

[st-mybox title=”症例” fontawesome=”fa-check-circle” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

40代後半 女性 生理の前・高温期に口内炎がポツッと出来る。のぼせることが多い割に、手足の冷えを感じる。生理前にイライラして家族に当たることが多い。首筋の凝りがある。ドラッグストアでビタミンを勧められて服用していたがなかなか改善しない。(後略)

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「口内炎が高温期になると出来る!」との相談でした。しかし話を聞いてみると、生理前のイライラが酷いようで・・・見た感じ穏やかなのですが、昔から生理前に切れやすくなるらしいです。加味逍遙散+川芎末+○○○○○をお渡ししました。

口内炎も改善したのですが、それよりもイライラしなくなったと喜ばれています。漢方の場合は、一つの症状だけでなく、複数の絡み合った症状を改善することが出来ます。

「ぶくぶくうがい」の飲み方

なかなか治らない口内炎の場合は、うがいを併用することで早く改善します。①漢方薬(半夏瀉心湯)でうがいをする場合 ②洗口液(モンダミなど)でうがいをする場合 がありますが、どちらでもいいです。

漢方薬の場合は、うがいの後に飲み込むことが出来るので、まずはこちらをお勧めしています。

[st-mybox title=”半夏瀉心湯うがい薬の作り方(飲み方)” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#757575″ bordercolor=”#000″ bgcolor=”#fafafa” borderwidth=”1″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

用意するもの:ホット用ペットボトル(小さいサイズを用意)・メジャーカップ(湯の量を量るもの)・半夏瀉心湯(1日量約3包)

  1. メジャーカップに半夏瀉心湯(1日量約3包)を入れてお湯(250cc)を注ぐ
  2. かき混ぜてペットボトルに入れる(火傷に注意)

溶け残りがあっても、エキスはほぼ溶けきっているので大丈夫です。半夏瀉心湯うがい薬の作り方はこちら((難治性)口内炎 × 半夏瀉心湯[漢方スッキリ方程式(5)])を参考にしています。電気ポットからペットボトルに直接お湯を注ぐと危ないので、メジャーカップで溶かしてからペットボトルに注ぐのをお勧めしています。

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朝に作って、それを4~5回ぐらいに分けてうがいをしてから服用(飲み込む)します。最初は痛いときにうがいをする→痛くなくなってからは空腹時に分けてうがいをする、がいいでしょう。

うがいは、風邪予防のように喉を洗う・・・わけではなく、口腔内にしっかりと広がるようにします。こちら↓↓↓の方法をお勧めしています。

[st-mybox title=”ぶくぶくうがいの方法” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#757575″ bordercolor=”#000″ bgcolor=”#fafafa” borderwidth=”1″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

  1. 溶液(もしくは水)を口に含む
  2. 顔を左に傾け、左側のほほを膨らませてブクブク
  3. 顔を右に傾け、右側のほほを膨らませてブクブク
  4. 少し下を向き、鼻の下、上の歯から下の歯まで上下に動かしてブクブク
  5. 正面を向いて全体にブクブク

※上手くいかない場合は、口に含む量が多いかもしれません。

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半夏瀉心湯以外にも、桔梗湯・立効散を使う場合もあります。食事がしっかりとしていない(ミネラルが少ない)ような口内炎にはササヘルスも有効です。

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半夏瀉心湯が無い場合は、洗口液(モンダミ)などで構いません。洗口液は飲み込まないではき出します。低刺激のものを使うようにしましょう。

口内炎を根本から治すためには、口の中の細菌の繁殖を抑える必要があります。そのためには、殺菌成分入りのうがい薬や洗口液(せんこうえき)を使ったブクブクうがいが効果的です。実験によると、20秒のブクブクうがいを3回行った場合、口の中の細菌を10分の1程度に減らすことができました。しかも、その効果は3時間以上持続したのです。ためしてガッテン

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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