海人草と回虫駆除

[st-mybox title=”ポイント” fontawesome=”fa-check-circle” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

海人草(マクリ)は回虫の駆除に使われた生薬です。熱帯から亜熱帯の近海に分布する紅藻類のフジマツモ科、マクリ(海人草)の全藻をさします。沖縄で生産されていたようですが、原料の不足により大阪での生薬メーカーでは流通しなくなりました。

ただ、駆虫薬のお問い合わせは多いため、こちらに別記しておきます。佐藤製薬のパモキサン錠には効能効果の適応でギョウ虫(の駆虫)に記載があります。一般のドラッグストアで取り寄せも可能です。

元々は、コンバントリンという医療用の医薬品でしたが、一般用医薬品にスイッチされました。コンバントリンは消化管から吸収されにくく、腸全体の寄生虫、ギョウ虫だけでなく回虫などにも効果があります。薬事行政の様々な制約もありますが、寄生虫に困っているなら、こういった代替え手段もいいかなと思います。

ギョウ虫か回虫かその他かわからない場合は、内科を受診すること(出てきたものを持って行った方が分かり易い)。若いDrは、寄生虫について不案内なコトが多いこと。必ず購入時に薬剤師さんに使い方を相談すること。同一世帯の家族では、お互い感染していることもあるので、注意すること。このあたり、気をつけてみてください。

参考:コンバトリン:医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用についての意見

[/st-mybox]

現在取り扱っている海人草は、沖縄近海で採取されているとのことでした。 (トチモト)マクリは原料の不足により廃盤になりました。別メーカーから取り寄せています。

[st-card id=1036 label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” fontawesome=”” readmore=”on”]

関連記事はこちら(Tagで検索)

海人草

マクリについては、東京薬科大学教授、川瀬清先生も

「民衆の生活の中では、日々の苦労から薬物を探しました。いわゆる民間薬といわれるもので、親から子へ代々伝わってゆきます」
例えば、農民は消化促進にセンブリ、下痢止めにゲンノショウコといった薬草、漁民はハシカ治療にイセエビ、回虫駆除にマクリという海草などを煎じて飲んでいた。
漢方’91週刊朝日P114-より抜粋

とお話しされています。

回虫を駆除した一例

海外から戻られて、回虫に困ってのご相談でした。フランスで、天然のサラダ?を食べられたらしいです。そのときは美味しく食べていたそうですが。日本に戻って、便がおかしいな・・・と思っていたら・・・便の中に何ともいえないモノを発見!

もうすぐ海外に行かなければいけないので、ということで当薬局に紹介で尋ねてこられました。

マクリの使い方をお話しして、お渡ししたのですが。「たぶん、サラダ(生食)だと思います」とのことで。海外ではできるだけ火を通した食事をしましょうね、とお話ししていました。後日、それ以降は回虫の発生はありませんでした、との連絡を頂きました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

目次