温経湯のポイントを解説!注意点や早く治るためのコツも紹介

温経湯(うんけいとう)は女性に特によく使う処方です。古典では「衝任虚寒」の処方と言われ「女性の月経・生殖機能が、邪気に見舞われて、うまく機能しない」時に使われます。

目次

温経湯のポイントは虚寒

ポイントは虚寒。ただの寒さではありません。
引っ越しした後の部屋って、すごく寒く感じませんか?
がらーんとして、すごく肌寒い。これが虚寒のイメージです。ものが無くて、寒い」感じです。

女性は生理、という外に出す機能があるため、がらーんとしやすくなります。そのため、補ってあげる処方を検討するのが大切。温経湯は、「補いつつ、循環をよくする」ため、幅広く使うことが出来ます。温経湯は、添付文書に書かれているだけでも、

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冷え症で手掌がほてり、口唇が乾燥しやすい次の症状、
指掌角皮症、更年期神経症、月経不順、月経過多、月経痛、頭痛、腰痛、帯下、月経困難、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ
ツムラ温経湯、コタロー温経湯添付文書より抜粋

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と、そんなに使えるのか、というほど書かれています。

温経湯を漢方的に考えると?

上記のような症状がある場合、骨盤内の血行循環が良くない↓↓↓それによって、

生理痛・生理の遅れ・経血量の減少・経血に血塊が混じるなどの生理不順が起こり、

そのため、血(栄養)が届かない↓↓↓それによって、

貧血・内膜の減少・下腹部の冷え・痺れ・乾燥感が起こると、考えられます。当薬局では温経湯を上記のような不妊症や第二子不妊に使うこともあります。

温経湯

冷えと熱感が共存する?

冬にお鍋をしていて、だしが少なくなると・・・すぐに煮立ってしまいます。同じように、上記のように血が少ない、循環も悪いようなら熱が溜まりやすくなります。夕方からの火照り、ざわざわ感、微熱、手足の熱感を起こす場合、この場合も温経湯などに効果があります。

不思議ですね、冷えにも熱感がある場合にも温経湯は使えます。ただ、現代の人は色々なストレスや冷え、食生活、に曝されて生きています。処方でも、温経湯に複数の処方を加えています。例えば単純に冷えだけでも、

  • 体・腰の芯から冷える→腎陽虚(+海馬補腎丸)
  • 眠りが浅く夢をよく見る、日中も眠い→脾気虚(+帰脾錠・補中益気湯)
  • ストレスが強く、首がよく凝る→気滞血瘀(+加味逍遥散)
  • 生理痛が酷い→血瘀(+桂枝茯苓丸・桃核承気湯)

などを考えます。温経湯はシャープに効果のある処方ですが、基本処方。少し加減して使います。

参考:NikkeiDrugInfomation 2012.09 PE011
中医産婦人科臨床 MDP、症例から学ぶ中医婦人科、
中医臨床のための方剤学 神戸中医学研究会

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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