ステロイド外用剤のランク
ステロイドは副腎皮質ホルモンを主成分とする炎症を抑えるお薬です。痒みは腫れを抑える場合にはとても有用ですが、漫然と使わないよう、Drの指示に従って使いましょう。また、一度開封したチューブは長期の保存は出来ません。残しておかずに、捨てるようにしましょう。
主な商品名 | 妊婦産婦 への使用 |
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ストロンゲスト (最も強い)
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デルモベート軟膏 ジフラール軟膏 |
使用しない ことが望ましい |
ダイアコート | ||
ベリーストロング
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フルメタ軟膏 リンデロン?DP |
使用しない ことが望ましい |
アンテベート軟膏 トプシム マイザー ビスダーム ネリゾナ (ネリゾナユニバーサルクリーム) パンデル メサデルム軟膏 |
大量又は長期に わたる広範囲の 使用を避ける |
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ストロング (強い) |
プロパデルム軟膏 エクラー軟膏 メサデルム ボアラ軟膏 ベトネベート軟膏 アドコルチン リンデロン?V リンデロン?VG軟膏 リンデロン?VGクリーム リンデロン?VGローション フルコート |
大量又は長期に わたる広範囲の 使用を避ける |
マイルド (弱い) |
リドメックス |
大量又は長期に わたる広範囲の 使用を避ける |
ウィーク (最も弱い) |
プレドニゾロン |
大量又は長期に わたる広範囲の 使用を避ける |
※資料によってはアドコルチンがベリーストロングに入っていたりと若干変わっている場合がありますが、だいたいこの程度と意識していただければと思います。
※ステロイドの強さと副作用は比例しません。使う際には、皮膚が炎症を起こし、赤くなった部分だけに塗るようにします。
ステロイド外用薬と妊娠中の使用
ステロイド外用剤の催奇形性(胎児に奇形を起こす可能性)についてはまだわかっていませんが、ヒトでステロイド外用剤の使用により奇形児を出産したという報告はありません。ただ、出来るだけ弱いランクの薬剤を必要最低限使うことが大切です。急に止めるとリバウンドが起きるので、自己判断で急に使用を中止しないでください。強力な一部の外用剤(ジフラール)では母乳へ移行するといわれており、授乳する場合は、医師または薬剤師へ相談してください。
ステロイドの外用剤と副作用
ステロイドの副作用には全身性の副作用と局所の副作用があります。ステロイドの全身性副作用としては、副腎皮質の抑制により、ムーンフェース(むくみ)、白血球増加、感染症にかかりやすくなる、胃潰瘍、高血圧、脂質異常、糖尿病、成長障害など多岐にわたります。しかし、こういった症状はステロイドを内服した場合がほとんどです。よっぽどでない限り、ステロイドの外用剤では(全身性の副作用は)起こりません。*1
局所性副作用としては、皮膚萎縮(皮膚が薄くなり血管が浮き出て見える。回復までには時間がかかる)、皮膚線条(妊娠線のようなシワ。取れない)などが起こる可能性があります。こちらは、外用剤でも起こります。強いといわれるステロイドに関して必ず医師の指導の下で使うようにしてください。
*1 日経DIによればストロンゲストクラスを1日10g以上(チューブ1本が10gですから、毎日1本以上)を塗っていた場合に副腎皮質機能低下が見られたとのこと。
参考:日経DI 2008/02 ステロイド外用剤の安全性
スキンケア 肌トラブル アレルギー アトピー大百科 ひよこクラブ 2月号別冊