漢方家族.comの成り立ち

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はじめてご相談する方へ

色々な健康のトラブル・悩みがあります。テレビや井戸端会議で「友達の病気の話」を聞いていたとしても。いざ自分のことになると、どこに相談すればいいのか、どう解決すればいいのか、すごく悩みますよね。

半数ぐらいの方は、病院に行って解決すると思います。ただ、不定愁訴・更年期障害など、病院の治療では治らなかった、異常は無いといわれた、病院に行くほどでもない・行きたくない、病院に行ってくれない、検査数値はそれほど酷くないけれども不安。(感覚的にですが)悩みが解決しない方も半数ぐらいはおられます。

テレビやチラシの健康食品に手を出してみた。ネットを調べたり友達に聞いたりしてみた。漢方薬ってどうなんだろう。効くんだろうか。お値段はいくらぐらいだろう。高くないかな。

漢方って、普段はすごく縁遠いですから。いざやってみよう・試してみたいとなっても、どこに相談していいのか・どういったものか、わからないですよね。

当薬局の成り立ちも交えながら、どんなところかをご説明します。

漢方家族.com・福田漢方薬局の成り立ち

1970年代に東大阪市で

1970年代、創業当初は一般の医薬品を販売する薬店としてスタートしました。時代はバブルの末期ですね、コンビニもドラッグストアもありませんから、雑貨・化粧品がすごく売れていました。創業当初から漢方薬にも興味を持って阪本漢方というメーカーを扱っていたのですが、漢方薬自体の取扱は少なかったです。

1980年代になり西田式健康法、バイブル商法が世の中を賑わせます。健康食品ブームで色々な健康食品も販売され始めました。「売れればいい!」という時代です。色々な健康食品メーカーから取扱の打診がありましたが、そういったことに辟易して、理論のしっかりとした漢方薬をメインに取り扱うことにしました。

当時の漢方は日本で発展した「日本漢方」が主流です。「これを飲みなさい」と作務衣をきたご高齢の先生がドーンと出してくる、あの漢方のイメージですね。治る人も多いのですが、新しく出てきた病状、例えばアトピーや慢性病の患者さんはなかなか治らない。漢方業界にも新しい動きが必要になってきた時代でした。

あるとき、知り合いの先生から教えてもらった中医学に興味を持ちます。「中国の伝統医学にはよく効く処方があるぞ」と。ただ中医学は、日本の一部の先生が中国語の辞書を片手に専門書の翻訳を始めた段階、中国の伝統医学を教えてくれる場所・人や情報などが全くありません。

1980年代後半の中国
1980年代後半の北京。勉強会にて訪問。

漢方中心の店舗へ

同じように中医学に興味を持った先生と辞書を引き勉強会を開催する時期が数年ありました。そういった勉強会がいくつか統合されて、中医学の研究会として「日本中医薬研究会」が発足します。熱意のある先生が多く、勉強会も深夜になることも多かったです。

雑貨を扱っていると相談に時間がとれない。悩んだ末に、雑貨の取扱をほぼ中止し、漢方相談の店舗にシフトしていきます。

NIFTY-Serveというパソコン通信でも活発な話し合いがありました。情報の入手経路は業界紙ぐらいしか無かった時代です。ネットで全国の先生とつながる、という事で大きな衝撃を受けました。今では、先生方の努力で中医学の書籍も手に入りやすくなりましたし、勉強会も多く開催されるようになりました。インターネットでも実力のある先生方が情報発信しています。

私(二代目)が店頭に立ち始めたのが2000年代です。調剤薬局やドラッグストアなども経験しました。色々な経験を積ませて頂きまして、先代と同じく漢方の道に進むことになりました。

高知での修業時代、漢方で良くなった!

高知で修業していた頃の話です。70代ぐらいのおじいちゃんが、家族に付き添われて入ってこられました。自力では歩けず、耳も遠く、受け答えにも数秒の時間がかかります。この相談は、大変だろうな、直感でそう思いました。

ご家族から、おじいちゃんは数ヶ月前まで大工さんをしていたこと。屋根から転落して入院したこと。入院してから急にぼけ始めたこと。病院からは骨折は治っているので退院を求められていること。家族で引き取るにも一人で歩くことも出来ないため困っていること。などをお聞きしました。

高知で働いていた薬局、現在は閉店しています

おじいちゃんは目が泳いでいるというか、、、焦点が合っていない。寒いらしくすごく厚着をしています。押したらそのまま崩れ落ちていきそうな弱々しい感じですが、時間はかかるにしろ、受け答えは出来ます。今なら何とかなるかも。そう考えたのですが処方が決まらない。

「処方を考えるから今日は帰ってもらえませんか?」翌日まで時間をもらいました。そうして文献を読んだり、東京で教わっていた講師の先生に電話をしたり。

翌日、再度訪問してくれたご家族に「もし、半年経っても変わらなければ、なかなか難しいかもしれません」そういう前提で、お出しすることになりました。

2週間目、3週間目とほぼ変わらない状況が続きまして心配しましたが、1カ月目で少し歩けるようになりました。そこからは早くて寒気がとれて、自分で食事をして、仕事もポツポツと出来るようになってきました。半年ぐらい漢方薬をしっかりと続けてもらって、その後は予防のために減らして服用してもらいました。

病院では改善しないと言われていましたから、ご家族もかなり喜ばれていました。すべてがうまく行くわけではありませんが、漢方薬で少しでも暮らしやすく、人生を楽しく過ごす(過ごせる)方が増えてくれれば、、、と考えています。

漢方薬のスタンス

漢方は体質から改善する、漢方なら「全ての病気が治る!」「明日には治る!」とものすごく期待してご来店いただく方がおられます。「病院に10年通って耳鳴りが治りませんでした」とご相談いただいた方から「今週治りますよね?」と尋ねられる場合があります(実話です)。

わたしは「漢方は万能だ!すべての病気が治るのだ!」とは考えておりません。

病院の薬を服用している場合は、まずは併用をお願いしています。病院の処方・漢方薬で得意分野は違います。例えば、アトピー性皮膚炎の方で「ステロイドは怖い!絶対止めたい!」という方もおられます。私は大火事の火を消すのはステロイド、日々の火の用心は漢方と使い分けて、うまくステロイド・西洋薬とつきあっていくのがベストだと考えています。

ご高齢で高脂血症・高血圧・糖尿病・抗不安薬、、、お腹がいっぱいになるぐらい大量に服用している方もおられます。代謝するのに肝臓腎臓に負担がかかっていますし、体の不調と思っていても実は副作用ということもあります。さらに漢方薬を追加するよりもまず西洋薬を整理してから再度ご訪問いただいています。こういう方の体のだるさですが、薬をまず減らして、体調を整える、食事をまずできるようにする、それを補助するための漢方薬を使う、自分から食事をしたい、食欲が出てくることが改善の目安だったりします。

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