生理不順と漢方薬
生理不順が良くないワケ
順調な生理周期とは、生理から生理までの期間が25~38日、通常28日程度です。
生理は脳で起こる信号が卵巣に伝わり、ホルモンバランスが変化することで起こります。
そのホルモンバランスが崩れると、交通事故の起きた交差点のようなもので、渋滞が起き、生理が止まったり遅れたり「生理不順」になります。
生理不順は現在の「貧血、生理痛」だけでなく、将来の不妊症や、更年期障害などの原因にもなります。
漢方薬では、こうした生理不順を体質から治します。
月経不順、生理不順と漢方
自分の月経不順のタイプを知るために「基礎体温表」をつけていますか?
- 高温期と低温期の二相に分かれている。
- 高温期と低温期がバラバラ、もしくは一相。
高温期と低温期が二相に分かれているのが標準です。
二相とは、低温期の平均と高温期の平均の差が、0.3度以上ある状態です。
漢方薬が得意な生理不順は、「二相に分かれていて周期が短い、もしくは長い」タイプ。もしくは年齢とともに周期が延長してきた、短縮してきたというタイプです。
東洋医学での月経の考え方とは?
東洋医学での生理不順は、「腎気・天癸」という現代のホルモンに似た概念で説明されています。
簡単に説明すると、次のようなイメージです。

左側が正常な貯水タンクのイメージ図です。加熱して「一定の湯量、温度」になると月経として排泄されます。
この湯量が減っていたり、温度が低かったりすると、月経が延長したり短縮したりが起きます。
具体的に、説明していきましょう。
月経が短くなる(経行先期)
東洋医学では、「血熱」や「気虚」などが原因と考えています。
- 血熱
- 体質が火照りやすい上に、辛いものをよく食べる、イライラしやすい、熱傾向がある、長期の病気などによるからだの消耗。
- 気虚
- 過労や飲食の不摂生から胃腸の虚弱がおこり、からだの代謝機能が低下した状態。
血熱の場合は、体の火照りをとり、全体を調整するような処方を検討します。この場合、陰虚の血熱(からだの虚弱による血熱)か実熱かをしっかりと検討します。
気虚の場合は、体を補うような補中益気湯、麦味参顆粒、十全大補湯といった処方を中心に検討します。
また、低温期か高温期のどちらが短いかによって漢方薬も変わってきます。
月経が長くなる(経行後期)
低温期が延長するタイプがよく見られます。月経が短いタイプとは逆で、東洋医学では、「血寒」「気滞」などが原因と考えられています。(「血虚」「腎虚」なども検討します)
- 血寒
- 生ものや冷食などを取りすぎたり、雨、冷房にあたったことによるもの。もしくは、もともと冷え性で腰が寒い、手足が冷たいなどの症状がある場合。
- 気滞
- イライラやストレスのかかった状態。
血寒の場合は、体を温めるような処方を中心に検討します。急性期の実タイプ、慢性の虚タイプをしっかりと見分けるのがポイントです。
イライラやストレスがひどい場合も、月経は延長します。この場合は、ストレスを発散するような漢方薬、例えば加味逍遥散、開気丸、といった疎肝薬といわれる処方を中心に検討します。
生理が不定期(経行先後無定期)
月経周期が一定しないタイプです。イライラが多く、もしくは生理痛のきついタイプがよく見られます。
東洋医学では、「肝気鬱結」「腎虚」「瘀血」の3点を検討して治療します。
- 瘀血
- 血の流れが悪く、血が滞りやすい状態(生理痛などが酷い場合もあり)
- 肝気鬱結
- ストレスがひどく、イライラしやすい。前述の気滞に似たタイプ。
しっかりと体質を改善することが、次の周期の安定につながります。西洋薬とともに利用できる漢方薬もありますので、ご相談ください。
参照引用:中医産婦人科の臨床応用
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