2008年1月アーカイブ
タミフルを備蓄し始めたのは、新型インフルエンザ対策でした。
強い感染力があり、流行すると多数の死者が出る恐れが指摘されている新型インフルエンザの対策で、政府の行動計画が11日、分かった。治療薬「タミフル」の備蓄について、国と都道府県が確保する割合を当初の2割から8割超に引き上げ、「国家備蓄」の色合いを強めた。国内で大流行が起きた際の治療の優先順位も明記し、海外渡航の自粛や学校の休業など社会生活の制限を盛り込んだ。政府は15日にも関係閣僚会議を立ち上げて対策を本格化させる。新型インフルエンザ対策、治療薬の備蓄強化 集会制限も2005年11月12日09時10分
なぜか、現在は既知のインフルエンザ対策に使われています。
インフルエンザでタミフルを服用した場合、発熱期間が1~2日程度短くなる程度、下記のニュースでは「服用者による重い異常行動は、服用なしの1.7倍多い」と語られています。
リスクとメリットを天秤に掛けた上で服用するのが良さそうです。
インフルエンザ治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)の服用と異常行動に関し、厚生労働省研究班(班長・広田良夫大阪市大教授)の解析が誤りだった可能性が高いことが分かった。タミフル服用患者は異常行動が半減したとの内容で先月公表したが、薬の副作用に詳しい医薬ビジランスセンター(大阪市天王寺区)の浜六郎理事長によると、服用者による重い異常行動は、服用なしの1.7倍多いという。研究班の広田教授は「偏りを除くと、服用者の方が異常行動の率が高くなる可能性がある」と話しており、詳しい解析を進めている。タミフルは、10代の使用が原則禁止されている。研究班は、06年末から07年前半にインフルエンザにかかった18歳未満の患者、約1万人のデータを解析。「今後変わる可能性がある」と留保した上で、非服用者の異常行動・言動は約22%、命にかかわる重い異常行動は0.77%だったのに、服用者ではそれぞれ9.7%と0.45%だったと公表した。
しかし今月10日の会議で、医療機関受診前に異常行動・言動を起こした患者を含めていた点について、本来解析対象にすべきではなかったとの指摘が出たといい、「服用者で半減」との結果は、服用と異常行動の関連を小さく見せるような、対象の偏りが原因だった可能性が高いとの結論に達した。
一方、浜理事長は今回の解析について「タミフルを投薬された患者が服用前に起こした異常行動を、投薬されなかった患者の異常行動として扱った点が誤りだ」と指摘。正しく解析すれば、服用者の異常行動・言動の発症率は約16%、重い異常行動の発症率は約0.58%となり、それぞれ非服用者の約12%、0.34%を上回るという。
浜理事長は「研究班は速やかに訂正すべきだ。10歳未満でも服用で異常行動が増えており、この年代でも使用を原則禁止すべきだ」と訴えている。【高木昭午】タミフル:厚労省解析「異常行動が半減」誤りの可能性 - 毎日jp(毎日新聞)
産経新聞(Iza)に大々的に書かれていました。農業高校の生徒さんの努力はすばらしいと思います。
しかし記事中にある「卵アレルギーの人でも食べられる」とまで言い切るには疑問があるため、薬剤師の一見解として書きたいと思います。
子供の頃によく出る卵アレルギーは、卵の蛋白質によるアレルギーです。卵の白身に含まれる蛋白質が抗原となることで、アレルギー反応を引き起こします。
もし、卵アレルギーの人でも食べられる「卵」というとなると、「抗原となる蛋白質を含まない卵」でなければならないのですが、この記事からは「α-リノレン酸を多く含む卵を開発した」というように読み取れました。
α-リノレン酸はアレルギー症状を改善するとも言われており、エゴマやシソなどにも含まれる成分です。
※詳細は:「健康食品」の安全性・有効性情報〔独立行政法人 国立健康・栄養研究所〕
この開発された卵にはどの程度含まれているかわかりませんが、α-リノレン酸では卵アレルギーを相殺できるだけの効果は期待できないかと思われます。
健康に良い卵、としてならとても良い話なのですが、アレルギーに関しては、、、。しっかりと立証されていない状況下では、「重度の」卵アレルギーの患者さんにはお勧めできません。
少しでもかゆみや息苦しさを感じた場合はそれ以上食べない、主治医に相談する、ことをお勧めします。
子供の頃の卵アレルギーは、成長して陰性になることもあります。それまでは(大変だとは思いますが)除去療法などの手段をとることは大切です。今後、この卵が市場に出回るときに、何か事故がおきないよう、またこの企画がつぶれないよう、あまり煽るのはよくないと思うのですが、、、。
色々なBlogを見ていて、
毒物を食べても解毒作用のある成分が多めに入ってるから安全である、
そんな理屈と同じですよ。危険です。
江の島拾い歩きさん アレルギーでも食べられる卵を高校生が開発!?
まさにそのとおりです、、、。
兵庫県立播磨農業高校(加西市)の生徒らが開発した鶏卵が「卵アレルギーの人でも食べられる」と人気を集めている。その名も「ハリマ夢たまご」。エサを工夫し、アレルギー症状を緩和させる成分を多く含ませた。口コミで評判が広がり、昨年末から阪神百貨店(大阪市北区)でも発売された。開発したのは、同校畜産科3年の卵生産研究班の生徒ら。「卵アレルギーの人でも食べられる卵を」と研究に着手。納豆やおからなど「健康によい」とされるさまざまな食材をエサに混ぜ、ニワトリに卵を産ませる実験をした。その結果、シソや魚粉を混ぜたエサを食べたニワトリに、アレルギー抑制効果があるとされる不飽和脂肪酸「α-リノレン酸」の含有量が通常の約5倍の卵を産ませることに成功した。
この卵に、生活習慣病予防の効果が注目されるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)も豊富に含まれていることも判明。ニワトリがストレスを感じないよう平飼いを導入。血液検査も行うなど“健康診断”体制を強化し、ニワトリの病気の感染を防止するなど「食の安全」にも細心の注意を払い、商品化に成功した。
このたまごを近所の住民などに試験販売したところ、人気が徐々に広がり、メディアでも取り上げられるようになった。評判を聞きつけた阪神百貨店が出荷を依頼。先月上旬から週120個ペースで出荷を始めたところ、すぐに売り切れるなど大人気となった。
卵アレルギーの孫がいる夫婦から「卵を食べることができた」とお礼の手紙を受け取るなど感謝の声が続々と寄せられたという。
生徒らの指導にあたる赤沼幸一教諭(37)「現時点では生産量が限られているが、養鶏業界が冷え切っているだけに、生徒や業界などに夢を与えられればうれしい。効果を裏付けられれば、卵アレルギーで困っている人たちに光を与える製品としてアピールできる」と話した。産経新聞
腸内環境がアレルギーの発生に関係しているという話は、この2~3年よく雑誌などに取り上げられています。腸内環境が大切なのはもっともですが、ヨーグルトが良いやら、腸内洗浄が良いやら、ココアがよいやらと色々と宣伝材料に使われ胡散臭いな、、、という気持ちも出てきています。
このニュースでのキモは、乳酸菌のラボでの実験で、Th1を増やすだけでなく、Th2を減らすことも確認されたということです。他の食品や製品にも同じような可能性はありそうですね、、、。
これから花粉症の季節になりますが、一般的にできる予防方法としては、
- 毎日快便 (←快便がポイント)
- 発酵食品 (ミソやキムチ、納豆など)や乳酸菌(ヨーグルトなど)を取り入れた食生活、
- 花粉を入れない生活
が大切で、それができない、もしくは不足しているときに健康食品などを併せて選択するのが良いかと思います。
乳酸菌:アレルギーの抑制力解明 東大など、症状緩和に可能性
腸内に存在する乳酸菌の一種が、アレルギーの原因となる免疫細胞を細胞死(アポトーシス)に導くことを、東京大などのグループがマウスの実験で突き止めた。乳酸菌はアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を抑えることが報告されているが、メカニズムの一端が明らかになった。欧州の免疫学専門誌「イムノバイオロジー」に掲載された。体内では免疫細胞である「Th1」と「Th2」の均衡が保たれているが、バランスが崩れてTh2が増えると「IgE」と呼ばれる抗体が過剰に作られ、アレルギー反応が起きる。アレルギーの人はTh2が過剰な傾向がみられる。一方、アレルギー症状のある子どもは、乳酸菌のビフィズス菌やラクトバチルス菌が腸内に少ないという報告がある。
東大の八村敏志准教授らのグループが、培養したマウスのTh2細胞にラクトバチルス菌を加えたところ、何も加えない場合に比べてTh2が1割程度多く細胞死を起こすことが分かった。マウスにこの菌を食べさせる実験でも、同様の結果を確認した。
八村准教授は「乳酸菌はTh1を増やす働きが知られていたが、Th2の細胞死を促してアレルギーを抑える仕組みもある。乳酸菌摂取が症状緩和につながる可能性がある」と話した。【下桐実雅子】
