子供のチック症状が漢方で改善した例

子供のチック症状でのご相談は時々あります。第二子不妊でご相談の方で、第一子にチック症状が現れて驚いて一緒にご相談されるケースもあります。ただ、チック症状はそれほど珍しいものではありませんが、急に現れるためすごく驚かれます。

子どもに多く、だいたい5~10人に1人が経験するといわれているチック。まばたき、首振り、肩すくめ、顔しかめなど、一見すると普通の癖のように見える神経疾患です。症状は乳幼児期からの心と体の成長に伴って見られ、大人になるにつれ普通は自然と消失しますが、学童・思春期まで続いて生活に支障がでる場合もあります。こAllAboutJapan

急に起こったチック症状

「33歳女性、29歳の時に出産、男児が4歳。 あるとき、子供にチック症状が現れ始めた」

お母さんは、ご主人の実家で同居。お姑さんとの同居ですのでちょっとしたことにイライラ、愚痴を言えるご主人も忙しくてなかなか帰ってこれないらしいです。気持ちを抑えようと頑張ってはいるのですが、あるとき、子供が食事こぼしたことに腹を立てて、すごく怒ってしまった。それ以降、子供が時折顔をくしゃくしゃにしたり、瞬きを激しくしたりするようになったとのことでした。

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 お母さんも「怒らないでおこう」と頑張っているようなのですが、自分ではどうしようもなく、怒ってしまう。たぶんご家庭の雰囲気もイライラとしているため張り詰めているのでしょう。怒ったことは直接の原因かとは思いますが、ただ、その前の段階としてマグマのように鬱積している部分が必ずあります。こんな時は、お母さんにも一緒に漢方薬を服用してもらって、マグマの原因を取り除く。つまりお母さんの気持ちも改善してあげるのが一番です。といって、同居を取り消すことはできませんから、ストレスに対する抵抗をつける漢方、漢方では「気の流れ」を考えます、これが目標です。

子供には漢方の処方として抑肝散加半夏陳皮と酸棗仁湯を、お母さんには気の流れを良くするような処方をお渡ししました。このときは半信半疑で帰られましたが、次に、来店されたときには、1週間のうちに目に見えて症状が改善しました!と喜ばれていました。

ただ「子供を怒ってしまうと症状が悪化するんです、、、」とのことですから「子供を憎くて怒っているわけではないこと」「どうしようも無いことなので、漢方薬でストレスに対する抵抗力をつけること」「服用を続けること」を指導して、守ってもらっています。

抑肝散加半夏陳皮は最近では認知症の漢方薬として有名になりましたが、本来はこういった症状を改善することのできる良い処方です。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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