ヘバーデン結節の漢方薬

ヘバーデン結節は、指の第一関節にできる変形性の関節炎です。40歳以降の女性に多く、原因ははっきりしません。進行する過程で痛みがあり、結節ができてしまうと痛みが無くなります。一カ所だけで痛みの落ち着く方もいますが、すべての指が変形することが多いです。ヘバーデン結節の方に写真を撮らせて頂きました。

ヘバーデン結節

すべての指に結節が出来て、すでに痛みは無い状態です。ヘバーデン結節の特徴として、結節の真ん中が凹んでいるように見えます。 

ヘバーデン結節の治療

痛みを悪化させない方法としては、安静にするのが一番です。が、へバーデン結節を発症する方は、ご家庭で家事をしないと行けないことが多く、洗濯や洗い物と手指を使う機会が多いです。

 なので、店頭ではまず日中にテーピングをお勧めしています。テーピングには、変形を防ぐこと、と、当たると痛いので、それを防止すること、という2つの意味があります。テーピングのテープは固定用の非伸縮をお勧めしています。薬局に販売しているものなら何でもいいのですが、かぶれないものを選んでください。

 痛みが出ている、腫れている時期には、鎮痛剤をお勧めします。 

寝る前に、外用の市販品ならバンテリンクリーミーゲルやバンテリンゲルなどをさっと塗って、乾かします。ゲルタイプはすり込まなくても大丈夫です。内服薬も痛みが改善する場合もあります。 

へバーデン結節と漢方薬

鎮痛剤を毎日服用すると胃が荒れて重くなる」「鎮痛剤の連用は怖い」という患者さんもおられます。漢方薬を服用して、どうしても痛いもしくは急性期の時だけ鎮痛剤を飲むというようにしてもらっています。漢方薬としては、桂芍知母湯、桂枝加朮附湯、疎経活血湯など、症状を応じて、さらにアリ製剤(イーパオ)などを加える場合が多いです。 

どうしても痛む場合は・・・

痛みが酷い場合は、整形外科を紹介しています。ステロイドの注射や手術適応の場合があります。 

患者さんの中には「すべての指を手術するのもなぁ・・・」と言われることもありますが、特に痛い場合は生活が辛くなりますので、ステロイド注射などもやむを得ないかもしれません。ヘバーデン結節は、一生痛みが続く病気ではありません。必ずどこかで治るときがあります。そのときまで、どうやって過ごして、どう変形を最小限にとどめるか、が重要かと思います。

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この記事を書いた人

漢方を専門に学ぶ薬剤師。大学卒業後、東京・高知の漢方薬局にて漢方を研鑽。漢方薬局の二代目として大阪に戻る。このサイトでは、身近な漢方であるようにと「分かりやすい言葉」で説明するように心がけています。

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