大阪の福田漢方薬局|漢方家族.com

不妊相談(妊活・第二子不妊・不育症・高齢妊娠)、痛み(腰痛・膝痛)、更年期障害などのお悩みを漢方で解決。メール相談、通信販売など、各種漢方メーカー(ツムラ・小太郎・イスクラ・松浦)の処方を取り扱う大阪の漢方薬局です。

*

インフルエンザと麻黄湯

      2016/02/15

冬になるとインフルエンザが流行り始めます。今では、病院で「タミフル・イナビル・リレンザ」などの抗ウイルス薬も処方されるようになり、高熱で苦しめられてきた方には良い時代になりました。

ただ、抗ウイルス薬は耐性の問題もあり乱用できません。制約もあります。例えば、

  • インフルエンザ検査は、ウイルスの量が増える感染後24時間程度で検出可能。
  • タミフルなどはウイルスの増殖を抑える処方のため、発症後48時間以内なら投与の効果は大きい。

自然に治癒できる通常のインフルエンザに、抗ウイルス薬をバンバン使っていいのか。自分の抵抗力で治す方がいいのではないか、風邪の時ぐらいゆっくり寝ていてはどうか、という話もあります。またそういった流れから漢方を見直す動き、インフルエンザに関連して、漢方の麻黄湯が有効との記事も繰り返し書かれています。

 インフルエンザの治療に漢方製剤の「麻黄湯(まおうとう)」を使うと、抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという研究結果を、福岡大病院の鍋島茂樹・総合診療部長らが明らかにした。
 新型インフルエンザへの効果は未確認だが、タミフルの効かない耐性ウイルスも増える中、注目を集めそうだ。 

麻黄湯とタミフルの比較

 新型インフルエンザに対する効果ではありませんが、2005年に小児のインフルエンザにおける、タミフルとの比較をしている記事があります。 *1  結論としては、

治療開始から解熱までの時間を見てみると、オセルタミビル投与群では平均31.9時間、麻黄湯・オセルタミビル併用群では平均21.9時間、麻黄湯単独群では17.7時間で解熱効果が得られた

と、麻黄湯の有用性が確認されています。(もちろん、タミフルと麻黄湯は作用が違います)純粋に漢方薬が見直されていることは、漢方業界としても、うれしい話です。ただ「麻黄湯はタミフルの代替品!」というワケではありません。

漢方的な麻黄湯の使い方とは?

麻黄湯について説明します。麻黄湯は昔の漢方の書物、傷寒論しょうかんろんに紹介されている漢方薬で、麻黄、桂枝、杏仁、甘草の4種類の生薬が組み合わされた処方です。

書物には「ぞくぞくっとして、やや発熱(それほどひどくない)、節々が痛み、汗がほとんど出ていない」こういった風邪の初期に効果があると書かれています。

「漢方的な」、とおかしな枕詞をつけました。症状や体質に応じて服用するのが漢方薬の特徴ですので、インフルエンザと限定せずに、すべての風邪や症状に使うことが出来ます。時期によって麻黄湯が効果がある場合もありますし、別の処方がよい場合もあります。 

例えば、風邪で発熱している中期や汗が出ている時期、また気血を消耗している状態(重篤な病気にかかっているなど)の時には使用しません。

タミフルと麻黄湯どちらを使えばいいの?

風邪の予兆を感じたとき。例えば「悪寒」を感じたときすぐには「麻黄湯」が良く効きます。このあたりこそが漢方の真価です。1日経ってしまって高熱がでた、ボーッとしてきた、+周りでインフルエンザが流行っている、こんなときは病院を受診してタミフルやリレンザもいいかもしれません。普通の風邪で体力があるなら寝るのが一番です。

タミフルも麻黄湯も時期が大切です。ごく初期なら本当に漢方薬は良く効きます。

麻黄湯の用法用量

大人は1回1包、1日3回、1日で7.5g(ツムラの医療用の場合)です。空腹時がベストですが、風邪かな、と思ったその時は空腹を待たずに急いで服用するほうがいいでしょう。時折、小児にはどの程度服用させればいいのか?というお問い合わせを頂きますが、一般的に、漢方では西洋薬ほど小児量がきっちり決まっていません。理由としては、漢方薬は病状によって加減すること、生薬同士の相乗効果で薬効を発揮するので一定の濃度以上が必要なことなどがあります。

 

目安として以下のようなものがあります。 

3~7歳未満 7~11歳未満 11~15歳未満 15歳~
1/6~1/3量 1/4~1/2量 1/3~2/3量 1/2~1量

大人量を1として換算(上記麻黄湯は医療用ツムラのエキスの場合です。10~15歳まで2/3、 5~10歳まで1/3、  1~5歳まで1/4~1/5という文献もあります。小児の服用につきましての詳細は、医師または薬剤師にお尋ねください。

麻黄湯の副作用

麻黄湯の副作用として、悪心(胸がムカムカする)・動悸などを聞くこともありますが、それ以外はほとんどありません。ただ、動悸のしやすい方は止めるか別の処方が無難です。ご高齢者も注意しましょう。漫然と使用する処方ではありません。一般的に、服用していて異常な症状があれば中止するようにしましょう。

当薬局では、麻黄湯など風邪の処方も常時在庫しておりますので、お気軽にお尋ねください。(その他の処方も扱っております) 身体に違和感を感じたり、発熱するのは「夜間」が多くありませんか?できれば風邪が流行ってきた頃に常備薬とすることをお勧めしています

体験、麻黄湯を服用して良かった話

私の体験談です。家族が久しぶりに風邪を引きまして。友達から風邪かインフルエンザかを貰ってきたらしいです。これは私もちょっとまずいな・・・と慌ててマスクをしたのですが。

数日後、急に背筋に悪寒が走りました。「あっ、これは来た・・・」服を着ていても寒いです、あと妙に尿が近くなる。1時間に1回トイレに走りますと、清澄な尿がジャァーッと出ます。漢方ではこれを表寒実、風邪の起こり始めと考えます。葛湯を飲んでも寒さは治らない。熱を測ると37.5度でした。

こんなときにどんな漢方薬を服用したのか、といいますと「麻黄湯+地竜エキス末+板藍茶」、風邪のウイルスに対抗して発散する処方です。さらに、みどりのどん兵衛を買って熱湯をかけて食べました。夜半にさらに葛根湯+地竜エキス末+板藍茶を投入。生姜湯も併せて服用です。

翌日の午前中は少しだるかったですが、午後からは寒さも消えて楽になりました。その後は「涼解楽+柴胡桂枝湯」をしばらく服用して終了です。このように、漢方では初期のうちに治すことができる、これが利点です。常備薬として小分けもしております、ご相談下さい。※ちゃんとマスクをしてお仕事をしておりました、ご安心下さい。

  • 参考文献:
  • 漢方業務指針 日本薬剤師会編集
  • 漢方の君臣方剤学 愛新覚羅啓天
  • 中医臨床のための方剤学 神戸中医薬研究会

*1  ツムラ漢方スクエア←医療関係者向けのサイトです

 - 風邪・咳・気管支炎 ,